ついに契約件数「大台突破」の楽天モバイル、それでも黒字化を阻む「ある数字」とは
みずほの楽天カード出資で消えた「返済シナリオ」
さらに直近で、楽天カードにみずほフィナンシャルグループが出資する、とのニュースが飛び込んできました。念願叶ったプラチナバンドを有効活用するための、今後も巨額の基地局設置投資は続くので、その影響もあるのでしょう。 みずほ証券は昨年、楽天証券にも49%の出資をしており、楽天銀行の上場も含め、楽天サイドからは好調な金融ビジネスの切り売りによる資金調達第三弾であると捉えられます。昨年11月の2023年度第3四半期決算で三木谷氏は、グループ金融事業の再編・上場により「5,000~6,000億円の借金は、一瞬で返せる」としていましたが、今回の件で、金融事業の再編・上場による有利子負債大幅削減は、現実的でなくなったと言えます。 現状、米S&Pグルーバルによる各付けは「ネガティブ」から「安定的」にはなったとはいえ、依然、投機的水準の「BB」にとどまっています。一見業績好転と思える楽天グループですが、モバイル事業の重石は依然として重くのしかかっている状況を如実に表しているといえるでしょう。黒字化に近づきつつあるようにも思えるモバイル事業ですが、着手以降、楽天がもぐりこんだ長いトンネルの出口は、まだ先のように思います。 ■お詫びと訂正[2024/11/05 11:45修正] 本記事内で、「みずほ銀行は昨年、楽天証券にも49%の出資」と記載しておりましたが、「みずほ証券は昨年、楽天証券にも49%の出資」の誤りでした。本文は修正済みです。ご迷惑をおかけした関係者のみなさまにお詫び申し上げます。 〔参考文献一覧〕
執筆:企業アナリスト 大関暁夫