御船激突沸く観衆 穂高神社で祭り 長野県安曇野市
長野県安曇野市の穂高神社で27日、県無形民俗文化財に指定されている「御船祭り」の本祭が営まれた。歴史や神話のひと幕を表現した穂高人形を飾り付けた、船形の山車「御船」2台が境内で豪快にぶつかり合い、観衆を沸かせた。 船は長さ12メートル、高さ6メートルあり、今年の飾りは一台が戦国武将の武田信玄と上杉謙信が戦う「血戦川中島」、別の一台は石川県能登地方に伝わる妖怪にまつわる「猿鬼伝説」。それぞれの船の中から祭りばやしの笛や太鼓、かねがにぎやかに鳴り響き、曳き手の「行くぞ」「それ」の掛け声で、拝殿前で船をぶつけ合った。 木の骨組みがメキメキッときしむ音が境内に響き、観衆から大きな歓声が上がった。五穀豊穣と子孫繁栄を願う意味があるといい、船は計4回ぶつかった。地元の坪田亜紀さん(39)は「毎年来ているが、今年は目の前で見たのですごい迫力だった。木が折れる音が響き、衝撃が伝わってきた」と感激していた。
市民タイムス