映像で振り返る 天皇ご一家のこの1年~“令和初”国際親善、国民との触れ合い、愛子さまのお出かけ…【皇室 a Moment】
30年前の記者会見も、パレードも、私は読売の記者として取材していましたが、当時、“皇室への新しい風”を感じたことを昨日のことのように思い出します。ご成婚の日は前夜からの雨でしたが、パレードの直前に雨がさーっと上がって、出発の直前にオープンカーの使用が決まりました。 ――私、パレードの出発の実況のために宮殿・南車寄の前にいたんですが、本当に直前にさーっと雲間から穏やかな日差しが降り注いで、隣の記者と共に思わず空を見上げたのを思い出しました。 思わず「おーっ」と声が上がるような晴れ方でした。
■インドネシア訪問 日本ではない“密着取材”も
――そして6月にはインドネシアへ。 令和5年のハイライトは、やはり6月のインドネシアご訪問だと思います。こちらはジョコ大統領夫妻と臨んだ記念植樹の場面です。即位後初めての国際親善訪問で、皇后さまにとっては実に21年ぶりの親善訪問でした。
大統領夫人が宮殿内を案内する場面では、日本国内ではまず設定されない“密着取材”が許されました。インドネシアの伝統工芸品を見て回られたのですが、この場面に象徴されるように、皇后さまの明るい笑顔を見ることができました。 ――打ち解けた雰囲気で声を立てて笑っていらっしゃいましたね。 素敵な笑顔です。 ――華やかに、和やかになりましたね。 また訪問中、先の大戦後もインドネシアに残り、現地の人たちと独立戦争を戦った残留日本兵の遺族にも会い、日本語や技術を学ぶ若い人たちと交流されました。滞在の最後に、陛下は、旅の感想をカメラの前で、自分の言葉で、語られています。
天皇陛下:「やはり今はインターネットでもって、いろいろ外国の情報が手に取るように分かりますけれども、やはりこの外国に実際に行ってみなければ分からないことというのは数多くあると思います。若い方々相互の交流によって両国間の親善関係がより深まることを心から願っております」
これは、記者たちが囲んで話を聞く“ぶら下がり取材”です。陛下は皇太子時代の後半から外国訪問の時に“ぶら下がり”で旅の印象を語られてきました。天皇になってもそのスタイルを踏襲されたんだと思いました。 ――真面目で飾らない陛下のお人柄がにじみ出ていて、私、このいわゆる「ぶら下がり取材」が好きです。 やはりご自分の言葉は伝わってくるものがあります。