《秋が旬の果物にも豊富》ダイエットや美肌にも?「ポリフェノール」に期待できる効果や種類を解説
体によい栄養素として、耳にすることも多いポリフェノール。野菜ソムリエプロの福島玲子さんは、「抗酸化作用やアンチエイジング効果があるといわれるポリフェノールは、多くの果物に含まれています」と話す。ポリフェノールの効果と今が旬の果物にどんなポリフェノールが含まれているのか、詳しく教えてもらった。 【写真】おいしそうなサングリア。ほか、ポリフェノール豊富な果物を写真で紹介
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ポリフェノールの効果や果物に豊富な理由
まずは、ポリフェノールがどんな栄養で、いかに体に効果があるかについて解説します。 ◆色が濃いほどポリフェノール含有量が多い ポリフェノールは、自然界に8000以上も種類があると言われています。有名なものだと、赤ワインやブルーベリーに含まれるアントシアニン、緑茶に含まれるカテキン、大豆に含まれるイソフラボンなどがポリフェノールの一種です。 ポリフェノールは、色鮮やかな果物や野菜に多く含まれます。それは、色素そのものが強力な抗酸化作用物質だからです。特に色が濃いほどポリフェノールの含有量が多いと言われています。 ◆ポリフェノール=アンチエイジング効果と言われる理由 抗酸化作用が強いポリフェノールには、活性酸素などの体の中にある有害物質を無害な物質に変える作用があり、動脈硬化など生活習慣病の予防に役立ちます。 動脈硬化は血管の内側が狭くなった状態、つまり血管が老いることを指します。血管は体のすみずみに栄養や酸素を運ぶ役割をする血液の通り道なので、血管が老いることは体の老化につながります。ポリフェノールにアンチエイジング効果があると言われているのは、この動脈硬化を予防できるからです。
種類別ポリフェノールの効果と多く含む野菜&果物
ポリフェノールは強い抗酸化作用に加えて、種類によってさまざまな作用があります。秋冬に旬を迎える果物の中には、どんなものがあるのか知っておきましょう。 ◆ダイエット効果が期待できるりんごのポリフェノール 約50種類のポリフェノールが含まれている、りんご。その6割以上を占めるのがプロシアニジン類という、美白、血流改善、抗アレルギー、ダイエットなどの効果が期待される栄養素です。 りんごポリフェノールとも呼ばれるプロシアニジン類は、脂肪を分解する酵素である膵リパーゼの活性を阻害し、脂肪の吸収を抑制するため、食事前に摂取することが効果的です。また、皮に多く含まれるため、できるだけ皮も食べることをおすすめします。 ちなみに、キウイからはキウイ由来プロシアニジンを摂ることができます。 ◆柿、ぶどう、いちごもポリフェノールが豊富 柿の渋みの要因でもあるタンニンには、抗酸化作用、抗炎症作用、血糖値低下作用、血圧低下作用などがあります。 ぶどうには、目によい効果をもたらすアントシアニンが豊富。アントシアニンには目だけでなく、内臓脂肪の蓄積を抑えるダイエット効果も期待されています。また、タンニンやプロアントシアニジンも含まれ、美肌効果があると考えられています。 また、いちごにはエラグ酸、フラボノイド、アントシアニン、フェノール酸などの抗酸化成分があるポリフェノールがたっぷり。特に、美肌効果が高いと知られるビタミンCと、メラニンの生成を抑えるエラグ酸やアントシアニンが多く含まれるいちごは、美肌や美白に効果抜群です。 ◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。 構成/イワイユウ