芸歴23年の岡田結実「男性が抱く好きな女性の幻想を100%出せたら」韓国発ホラー『他人は地獄だ』でヒロインを熱演
「ちっちゃいころはキッズモデルで、月に1~2回、雑誌に出るだけだったので。有名な子役さんに比べたら全然違うんですけど、そう言っていただけるのは嬉しいです」 【写真あり】岡田結実をもっと見る こう照れくさそうに話すのは、女優でタレントの岡田結実だ。24歳ながら、すでに芸歴23年を誇る。 「みなさん、何十周年という周年を迎えられるとお祝いをされますよね。でも私はそういう実感が沸かなくて。改めて祝うというよりは、毎日、好きなことをやらせていただいてとても充実しているので、今年も幸せだなっていう感覚でお仕事をしています」 1歳のときからキッズモデルとして活躍してきたが、当時はまだ幼く仕事についての判断などはつかなかったはず。芸能界で仕事をしていこうと決意したのは、いつぐらいだったのだろう。 「私は今の事務所が3つ目なんですが、最初の事務所はスカウトされた流れで入りました。親に『興味があるならやってみてもいいんじゃない?』と言われて、まだ小学生だったし、自分の意思はなかったと思うんです。でも中学3年生のころに、ほかの職業もあるんじゃないかなって考えた時期もあったりして。そのときにこの世界が好きだなと思ったので、いろいろな事務所の方とお話をさせていただいて、2つ目の事務所は自分の意思で決めさせていただきました。自分で決めなくちゃいけないと自覚した瞬間でもあったので、人生でいちばん大きなターニングポイントだったかもしれないです」 その決断を両親は歓迎してくれてこう笑ったという。 「その事務所は恋愛に対して厳しいところがあり、私がそこは嫌だって言ってたんです。そしたら両親は『結実は本当に破天荒だから、恋愛に厳しいぐらいがちょうどええわ』って(笑)。『結実との雰囲気にも合うと思うよ』とも言ってくれて、結果、お仕事にもいいご縁にも恵まれました。親は私のことをよくわかってるなと思いましたし、感謝しています。今は3つ目の事務所ですが、大きい事務所だからできることもあれば、小さい事務所だから一致団結してやっていこう、もっと頑張っていこうという面もあって。意思伝達がしやすくなっていることもあり、いい環境でやらせていただいているなと思っています」 いい環境で毎日が充実していると話す岡田は、これまでと雰囲気も変わってきた。ある情報番組に出演した際には、SNSで「めっちゃきれいになった」と絶賛する声があがり、ネットニュースとなり話題になった。そう評されることについて聞くと、とびきりの笑顔を見せてこう話してくれた。 「自分が明るくポジティブなタイプなので、みなさんにもそう思っていただけたらと思って。衣装やヘアメイクも肌の出し方や髪型も、元気で明るい雰囲気になるように相談して作っていただいてきました。でも来年は25歳になるということもあり、みなさんに覚えていただいているイメージを少し変えてみたいなと思って。それでヘアメイクさんとも相談して、久しぶりに髪をおろしてみたんです。そうしたら友達から『きれいになったって記事が出てるよ』と教えてもらったり、おばあちゃんからも『いつもと違った雰囲気で可愛かった』と連絡をもらったりして、すごく嬉しかったです。でもその反面、25歳は人生のひとつの節目に当たるとも思っているので、もっと頑張らなくちゃと思いました」 25歳というと、恋の噂のひとつやふたつはあってもいいような気がするが、恋愛についての報道はまだ“未経験”でもある。好みのタイプはどんな男性? 「前までは見た目はこうで、性格はこうでって決まってたんですが、年々なくなっていくというか。よく“好きになった人がタイプ”という人もいらっしゃると思うんですが、私はちょっと違って、好きにならせてくれる人がいたら好きになっちゃうというか。本当に“好きだな”って思わせてくれる人がいたら、自分の好きな見た目や性格ではなくても、好きになっちゃうと思います。こだわるとしたら、清潔感があって落ち着いている人。年々、私がわがままになってきているような気がするので、尽くしてくれる人じゃないと無理かもしれないです(笑)」 これまでモデル、バラエティタレント、女優として活躍してきた岡田は、本格的に女優業を始めてから8年になる。年々、芝居が楽しいと思っているとう。そんな彼女が本当におもしろいと感じて夢中になったのが、NHK大河ドラマの『鎌倉殿の13人』だ。 「脚本が三谷幸喜さんでしたし、小栗旬さん、佐藤浩市さんなど出演される方も魅力的な俳優さんばかりで、1年間通して見て、めちゃくちゃおもしろかったです。特に小栗旬さんはインタビュー記事なども拝読させていただいたんですが、どんどんダークになっていく人間性に合わせて、少し体重を落とされたり、衣装も黒っぽいものにして印象を変えていったとおっしゃっていて。役者さんの向き合い方や、役者さん以外の衣装部さんやヘアメイクさんなど、いろいろな方のこだわりの詰まった作品は、見ている人に届くときに、その魅力が何十倍にもなって届くんだなと感じました」 小池栄子や宮澤エマなど、女優陣の活躍にも目を奪われたという。以前、映画『私はいったい、何と戦っているのか』(2021年)で共演したことがある小池栄子には、大きな影響を受けているという。 「小池さんは私のお母さん役で共演させていただいて。相手に対する熱量みたいなものをすごく感じて。本当に人柄が溢れていらっしゃる方だなと思いました。だから人に感情を届けることができるんだなと実感しました。私も映像になったときに、見ている方に100パーセント届くか届かないかは別として、目の前にいる役者さんに対しては、自分の感情や熱量をきちんと届けられるようにと思いながら演じています」 もう一度、小池栄子と共演したいと望む彼女が、もう一人共演したい俳優がいる。 「濱田岳さんがずっと大好きなんです。一度、共演させていただいたんですが、好きすぎて目も見れなかった(笑)。当時は自分のことで精一杯で、濱田さんの現場でのあり方などをちゃんと見られなかったので、もう一度共演して、いろいろ学ばせていただきたいです」 年々お芝居をするのが楽しくなっていると話す彼女がヒロインを務めるのが、映画『他人は地獄だ』(11月15日より、グランドシネマサンシャイン 池袋、イオンシネマほか全国公開)。同作は韓国発のWEBコミックで、日本ではLINEマンガで連載が始まり、国内累計閲覧数は7千万views を超え(2024年8月時点)、世界では8か国語で配信され、累計閲覧数は9.8億views (2024年6月時点)を超える人気作品だ。 2019年には韓国で連続ドラマ化されて話題をさらった同作を、日本でサスペンス・ホラーとして映画化。主人公ユウがたどり着いた格安のシェハウス「方舟」で繰り広げられる、奇妙な住人たちとの歪んだ感情が織りなす共同生活を描く。岡田はユウの彼女であるメグミを演じる。 「原作を読んで結末を知ったときに、じゃあどう作っていこうかと、すごくワクワクしました。ネタバレになってしまうので詳しくはお話できないんですが、男性が抱く好きな女性の幻想を100パーセント出せたらな、と思いながら演じました。安心できる立場から見ていると、『方舟』からすぐに出ないユウはおかしいと感じると思うんです。でも人は追い詰められていくと正常な判断ができなくなっていく。ユウの立場になったときに、自分が冷静な判断ができるのかと思いながら観ていただけると、主人公の気持ちに入り込めると思います。みなさん、クセがある迫力のあるお芝居をされているので、そこもぜひ注目していただきたいです。特に青木さやかさんのクセ強な演技はかなり印象に残ると思うので、ぜひ観ていただきたいですね」 この作品を通して、自分も気をつけなくてはと、改めて感じたこともあったという。 「プラスのことでもマイナスのことでも、疑惑だったことが確信に変わり、それが確定した瞬間ってすごく恐怖に陥ると思うんです。興味や探究心で入り込んでいってしまうと、後戻りできなくなる瞬間があるんだなって。私も主人公のユウと同じく、何にでも興味を持ってしまうタイプなんですよ。でもそれだけで突き進んではいけないんだなと感じました。作品にはそんなメッセージ性もあるのかと思います」 今作品ではサスペンス・ホラーのヒロインを演じたが、来年は岡田が“人生節目”と語る25歳。そのことも踏まえて今後演じてみたい役を聞いた。 「先ほど話した『鎌倉殿の13人』を見てから、歴史ものの作品や大河ドラマにも出演できたら嬉しいです。あとは自分の芝居を生でまわりの方に見ていただきたいので、舞台に挑戦してみたいです。バラエティだけでなく、お芝居でも頑張っている姿を見ていただけたら嬉しいですね。プライベートでは車の免許を取りたいです。自分の中で“目指せ、かっこいい女”のひとつとして、かっこよく車を運転する女性像があるんです(笑)。かっこいい女性を目指して頑張ります!」 来年4月、25歳を迎える岡田結実がどんな女性に成長しているのか。その姿が今から楽しみだ。 おかだゆい 2000年4月15日生まれ 大阪府出身 幼少期からジュニアモデルとして活躍し、17歳のときに映画『傷だらけの悪魔』で俳優デビュー。ドラマ『わたしのおじさん~WATAOJI~』(2019年、テレビ朝日系)、『女子高生の無駄づかい』(2020年、テレビ朝日系)で主演を務めるほか、NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(2021年)に出演するなどのほか、バラエティや情報番組でも活躍。現在は『newsおかえり』(朝日テレビ放送)など、4本のレギュラ番組に出演中。 写真・木村哲夫 スタイリスト・武久真理江 ヘアメイク・やすす