菊間千乃弁護士、女子バレーの名将だった父の死を報告…大林素子さんらオリンピアンも育成「父の座右の銘を胸に」
八王子実践高元監督の90歳・崇祠さん
元フジテレビアナウンサーの菊間千乃(きくま・ゆきの)弁護士が6日、インスタグラムを更新し、父で八王子実践高・元女子バレーボール部監督の菊間崇祠(きくま・たかし)さんが亡くなったことを報告した。崇祠さんは90歳だった。 【写真】アナウンサー時代の菊間千乃氏と父・崇祠さんのほほ笑ましい2ショット 菊間氏は、崇祠さんが亡くなるまでの経緯を説明した。死因は誤嚥性(ごえんせい)肺炎だったという。 「先日、父が亡くなりました。90歳でした。1ヶ月前に足を骨折して入院。手術はうまくいったのですが、その後誤嚥性肺炎になって、旅立ってしまいました。これまで7回ものガンを克服してきた父なので、今回も大丈夫、必ず元気に戻ってくると信じていたのですが、叶いませんでした」 崇祠さんは八王子実践高の監督を55年間務めたバレーボール界の名将。同校を幾度も全国優勝に導き、三屋裕子さんに大林素子さん、高橋有紀子さん、福田記代子さん、多治見麻子さんら元日本代表のオリンピアン(五輪出場経験者)も育ててきた。厳しい指導で知られ、全国高校バレー選手権(春高バレー)で早々と敗れた部員をしかり、会場の代々木第一体育館から同校までの約40キロを徒歩で帰るように命じたなどのエピソードもある。だが、菊間氏が4月1日、インスタグラムで公開した「誕生会」の動画では、崇祠さんが「みなさん、こんにちは」とあいさつし、大勢の教え子たちが笑顔で「こんにちは~」と返すほほ笑ましい光景が見られた。 そんな父をしのび、菊間氏は八王子実践高がフジテレビで中継されている春高バレーの常連校だったため、同局を志望したことも振り返った。 「アナウンサーにインタビューされている父を見て、私もフジテレビのアナウンサーになりたいと思うようになりました。父の優勝監督インタビューをやりたい!と思っていたのですが、入社後は1回も優勝することなく、夢は果たせずじまいでした」 早稲田大法学部卒の菊間氏は、2007年12月31日に同局を退社し、10年9月、司法試験に合格したが、受験時代の崇祠さんとのエピソードを明かした。 「1回目の司法試験に落ちた時、普段優しい言葉なんてかけてこない父が、電話越しに『身体に気をつけろよ』と言ってくれて、電話口で号泣しました。2回目の試験に合格した日、父は1滴もお酒が飲めないのですが、母に『今日はビールで乾杯しよう』と言ったらしいです。私の可能性を誰よりも信じて、応援してくれる父でした。為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり 父の座右の銘。私もいつもこの言葉を胸に生きています」 その上で「自分の人生を生き切ったカッコいい父でした。父の娘として産まれて、本当に幸せでした」とつづり、来週に通夜、告別式を営むことを報告。「たくさんいる父の教え子の皆さまにお伝えするすべがないので、こちらでご報告させて頂きました」「今年の90歳の父のお誕生日会に来てくださった皆さまにお越し頂ければ、父もとても喜ぶと思います」などと呼びかけた。 そして、添付した崇祠さんとのツーショットに言及。「この写真はまだアナウンサーの頃なので、25年前くらいかな」と記し、「これからは思い出の中の父と対話をすることが、むしろ増えるのかもしれません。母を大切に。元気にやっていきますので、お父さん、安心して天国に旅立ってくださいね」と言葉に思いを込めた。
ENCOUNT編集部