美しく可愛い「京都らしい夏の和菓子」手のひらサイズで表現する“みやこの夏”…名店の逸品3選
季節の移ろいを、素材と見た目で表現する和菓子。なかでも京菓子は、芸術の域に達する繊細な表現力で、夏の情景や涼感を求めるみやこの人々を魅了してきました。京都の夏を表現する、美しく可愛い生菓子をご紹介します。
松壽軒(しょうじゅけん)|送り火
1932年創業。建仁寺、高台寺御用達の京菓子店。五山の送り火の「大」の焼き印を押した薄皮でつぶ餡をくるりと包んだ麩焼き。シンプルな意匠によって素材の持ち味がより引き立ちます。(1個350円) 【松壽軒】 京都府京都市東山区松原通大和大路西入ル 営業時間/10時~18時 定休日/日・月曜 要予約
二條若狭屋|清流
江戸時代に創業した「総本家若狭屋」から暖簾分けし、1917年に創業。小石に見立てた小豆、羊羹の青もみじと若鮎を浮かべ、下はみじん羹で涼しげな夏のひとコマを表現。(1個518円) 【二條若狭屋】 京都府京都市中京区二条通小川東入ル西大黒町333-2 営業時間/8時~17時 定休日/水曜
松彌|金魚
寒天と砂糖を煮詰め、冷やし固めた錦玉(きんぎょく)は夏の生菓子の代表格。梅酒味の錦玉の水槽の中を心地よさそうに泳ぐ赤い羊羹の金魚。藻の緑、水の青の重なりが美しい。(1個350円) 【松彌】 京都府京都市中京区新烏丸通二条上ル橘柳町161-2 営業時間/10時~18時 定休日/月曜、第3火曜 要予約 撮影=高嶋克郎 編集・文=柏木敦子(婦人画報編集部) 『婦人画報』2024年8月号