60以上が”乱戦” 英語資格試験が花盛り
■進むグローバル化 英語資格試験は60以上 日本企業の国際化が進み、楽天やファーストリテイリングなど英語を社内公用語にする企業も現れる中、英語力を身に付ける必要に迫られる日本人がますます増えている。TOEFLの国別ランキングで、日本はアジア30カ国中28位(2012年)という惨状の中、英語の資格試験も多数が入り乱れているが、今年度から普及に本腰を入れる新興の英語能力検定試験もある。国内で受験できる英語の試験は、すでに60以上とされており、試験の主催者の間で受験者へのアピール合戦が激しさを増しそうだ。 日本における英語試験は、英検、TOEIC、TOEFLなどが昔からよく知られている。英検は、年間230万人が受験し、文部科学省が後援する英語資格試験の草分け。一方でTOEICは世界約150か国で実施される国際的な試験で、多くの日本企業がTOEICスコアを採用や昇進の目安に使っている。また、TOEFLは、アメリカ、イギリスなど英語圏の大半の大学が入学基準として採用している試験で、日本人の海外留学志望者には、なじみの深い試験だ。 ■日本での普及を目指す「iTEP(アイテップ)」 この春から、日本での普及に本腰を入れる英語検定試験は、「iTEP(アイテップ)」。アメリカ最大の語学学校チェーンの元総裁が開発した。日本の伝統的な英語教育は、「読む・聞く・文法」に偏りがちで、実戦に使えないという批判が根強くあった。そうした中、iTEPでは上記3つに加え、「話す・書く」を含めた5つの能力を測定するという。特徴的なのは、試験時間わずか90分で英語能力を測定でき、受験料はTOEFLのほぼ半額の1万2000~1万1000円という点。海外留学生の英語能力を測る基準として、アメリカ国内の大学約 300校が iTEP を認定しているという。 この試験の日本上陸は2011年頃だが、iTEP日本事務局(東京・新宿区)が法人として今年1月に設立され、これから普及に向けて本格的に活動を始める。担当者は「既存の英語試験と比べ、よりコミュニケーション力を測れると思う。学校からビジネスマンまで、幅広く営業していきたい」と意気込む。今後の受験者の見込み数は、まだ一般の認知が高くないこともあり、「非公開」としている。