元二刀流の剛腕が大谷翔平封じで愛犬抱えて満足げ「揺れ動くチェスマッチのよう」
◆米大リーグ レッズ3―1ドジャース(25日・米オハイオ州シンシナティ=グレートアメリカンボールパーク) ドジャース・大谷翔平投手(29)封じに成功したレッズ先発のハンター・グリーン投手(24)は6回を投げて5安打1失点と好投を見せた。「最後まで力強く投げ切ろうと思った。これは俺のゲームだと言い聞かせて、集中していたよ。チームにいい流れを呼べてうれしい」と、今季3勝目(2敗)に胸を張った。 大谷との初対戦となった19日(日本時間20日)のドジャースタジアムでの対戦では、1三振を含む2打数無安打(1死球)と抑えた。この日も6回に三塁打を許したが、1、2打席は、ともにスプリットで連続三振を奪った。 「見ての通り彼は、際立った打者であり、全てに秀でた選手。彼のスイングから推察していく作業は、まるで、揺れ動くチェスマッチのようで、そこに、会話の投げ返しを感じていた。前回、私と対戦した時の彼のアプローチや、彼のスイングから意図を読み取っていくことは、非常に重要なことだ。それで、なんとか、やられないで済んだと思う」と、特別な思いで対峙した3打席を振り返った。 100マイル(約161キロ)超え連発で知られるグリーン。メジャー1年目の22年4月のドジャース戦では1試合で、メッツ時代のデグロムの33球を抜く39球の100マイル超えを投じ、全米に名を轟かせた。今季これまでの10試合を含め、キャリアを通じて100マイル超えは、計465球。これは、2015年にスタットキャストによる統計が始まって以来、最多だ。剛速球を武器に、先発50試合で奪った346三振は、投本間が現在の距離になった1893年以降の記録で、レッズ球団史上最多となっている。この日は11球が100マイル超え。大谷には、そのうち2球を投じた。 「彼はものすごい才能の持ち主で、それはずっと見てきているが、我々も自分たちを信じて戦わなければいけない。彼が、練習を重ねているように、我々も練習を重ねている。彼はしっかり準備して我々に挑んでいる。我々もそうだ」。 マイナー時代は二刀流でキャリアをスタート。プロ1年目にルーキーリーグで7試合、指名打者としてもプレーした後、投手に専念した経歴の持ち主だけに、大谷の存在が、切磋琢磨(せっさたくま)の原動力にもなっているのかもしれない。大谷の愛犬デコピンは有名だが、実は、グリーンも愛犬家。この日の試合後の会見には、フレンチブルドッグの「ロス」を抱えて現れ、幸せそうな笑顔を見せた。会見の最後には愛犬がおならをして苦笑いとなったが、会見場は和やかな雰囲気に包まれた。
報知新聞社