ビタミン錠剤大のカプセルを飲んで眠るだけで、手軽に正確に呼吸数と心拍数が計測できる
新しいセンサーが実用化されれば、家で簡単検査
カプセル型センサーはまた、麻薬性鎮痛薬オピオイドを過剰摂取するリスクが高い人にも使える。ブタにオピオイドの一種フェンタニルを大量に投与する実験では、センサーが呼吸数の減少を検出した。 いずれはカプセルにナルメフェンのような拮抗薬を仕込み、呼吸数が減少しすぎると自動で放出される仕組みをつくりたいという。 「過剰摂取で死亡する人は、大半が誰にもみとられないで死ぬ。薬を自動的に投与できれば、そばに人がいないときに誤って鎮痛薬を飲みすぎても助かる」と、トラバーソは語る。 睡眠の専門家であるアリゾナ大学のサイラム・パーササラシー教授(医学)は、「閉塞性睡眠時無呼吸症候群をはじめとする呼吸障害は珍しい病気ではなく、心臓発作や脳卒中を引き起こし死を招くことさえある」と、説明する。 「だが診断されないケースも多い。新しいセンサーが実用化されれば、家で簡単に検査ができるようになるだろう」