厳しい環境を生きる海の生物 伊藤勝敏さんが写真集―伊東
本誌で「魚の国の知恵比べ」「海の彩」などを掲載していた伊東市八幡野、海中カメラマン伊藤勝敏さん(86)の写真集「海の素顔を知っていますか―生き物たちからのフォトメッセージ―」が、海文堂出版から出版された。厳しい自然の中でたくましく生きている魚類や無脊椎動物を中心に載せた。伊藤さんは「人と海の生き物の暮らしはつながっている。温暖化などの影響で海の環境が変わってきている実態を伝えたい」と話す。 今回の写真集では、人々の生活と海の環境をどうすれば両立できるかを問いかける「サンゴ礁の荒廃」、茶褐色の体とまだら模様を持つアナハゼの捕食の瞬間を捉えた「食うか食われるか」、土管の穴やタイヤのくぼみに潜むスナダコなどを掲載した。伊藤さんは「専門的な視点ではなく、ありのままの感覚で写真を見てほしい」と語る。 伊藤さんは大阪出身で、現在は多様な海洋生物が生息する東伊豆に拠点を置き、海の生き物を撮り続けている。著書に「伊豆の海」「ウオヅラコレクション」「さかなだってねむるんです」などがある。 定価1980円。A5判サイズのカラー128ページ。伊東市内では富戸の灯台売店、サガミヤ各店などで扱う。
伊豆新聞デジタル