「死のせいで人殺し扱い」 ドン・ファン殺害 野崎氏に対して被告
「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家・野崎幸助さん(当時77歳)を殺害したとして、殺人罪などに問われている元妻の須藤早貴被告(28)の第21回公判が15日、和歌山地裁であった。野崎さんが亡くなったことについて、検事や弁護人から聞かれた須藤被告は「目の前にいるなら文句を言ってやりたい」「死に方を考えてほしかったし、あのタイミングで死んだせいで、何年も私は人殺し扱い(をされている)」と述べた。 【「自殺か事故では」 ドン・ファン殺害、野崎氏の死について被告の記事はこちら】 野崎さんから覚醒剤の購入を頼まれたという話について、検察側が「なぜ断らなかったのか」と聞くと、須藤被告は「お金をもらえればいいやと(思った)」と答えた。野崎さんが亡くなった時の感情は、喜怒哀楽ではなく「『無』だった」と話した。 毎月100万円を野崎さんから受け取る約束をして結婚したとされる点に絡み、裁判員から質問された須藤被告は「野崎さんの遺産か『月100万円』なら、私は『目先の利益派』なので、月100万円の方が大事だった。遺産は『いつかもらえたらラッキー』くらいだった」と答えた。 起訴状によると、須藤被告は2018年5月24日、殺意を持って、野崎さんに致死量の覚醒剤を摂取させ、急性覚醒剤中毒で殺害したとされる。これまでの公判で、須藤被告は「殺していません」と述べ、弁護側は無罪を主張している。 第22回公判は18日で、検察側は論告・求刑、弁護側は最終弁論をして結審する予定。
紀伊民報