クリーブランド連銀総裁、インフレへのリスク「まだ上向き」
(ブルームバーグ): 米クリーブランド連銀のメスター総裁は、最新の物価統計が歓迎すべきものであったにもかかわらず、インフレリスクは依然として上方向に傾いているとの見方を示した。
メスター総裁は14日、ブルームバーグとのインタビューで、今年1度の利下げを示唆した最新の連邦公開市場委員会(FOMC)予測について、自分の経済予測と「かなり近い」と述べた。
「インフレに対するリスクはまだ上向きだと考えている」とメスタ-総裁。「労働市場へのリスクは両方向だと思う」とも述べた。
インフレ率の低下を示す今週のデータを「素晴らしい贈り物」だと表現した上で、利下げを検討する前にあと数カ月は良好なデータを見たいとの考えを明らかにした。
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「インフレについてはこの2年で実に大きな進展を遂げた。依然として水準は高過ぎる」と総裁は述べ、「インフレが2%に下がる軌道に乗っていると確信するには、まだやるべきことがある」と話した。
同総裁はこれより先、経済専門局CNBCとのインタビューで「インフレ率が低下し、短期的なインフレ期待が低下し始めるという、良好なインフレ指標を今後数カ月にわたって見たいものだ」と話した。
「そうなって初めて、労働市場やインフレの動向といった、金利を引き下げるための適切なデータがそろったのではないかと考え始めなくてはならない」と続けた。
今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合後に公表された参加者の予測では、中央値で今年の利下げ回数は1回に減少した。
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メスタ-氏は10年間務めたクリーブランド連銀総裁を今月末で退任する。後任にはゴールドマン・サックス・グループ出身のベス・ハマック氏が8月に就任する。
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