「ハム」や「ベーコン」は安くておいしい家計の味方! でも「加工肉」はあまり身体に良くないって本当? 普通に食べる分には問題はない? 理由を解説
ハムやベーコン、ソーセージといった加工肉は安価で調理がしやすく、多くの家庭で親しまれています。しかし、「ハムやソーセージを食べるとがんになる」など、加工肉による発がん性のリスクについて聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。 本記事では、加工肉が身体に悪いといわれる理由や、本当に身体に悪いのかどうか解説しています。
加工肉は家計にやさしく使いやすい
加工肉といってもさまざまですが、多くの場合はスーパーなどで安価で購入が可能です。加工肉は食卓のメインを飾ることもあれば、お弁当のおかずや朝食など、幅広く利用されています。 加工肉は中には高いものもありますが、一般的には牛肉など生鮮肉よりも安価で購入でき、さまざまな料理に使用できます。そのため、加工肉は家計にやさしく、かつ調理がしやすい、使いやすい食材だといえるでしょう。
加工肉が身体に悪いといわれる理由
加工肉が身体に悪い、発がん性があるというのは一昔前からいわれていました。その中で一層注目を浴びるようになったのは、国際がん研究組織(IARC)が2015年10月26日に出した報告による影響が挙げられます。この報告では、加工肉を毎日食べた場合、50gごとに大腸がんを患う確率が18%上昇すると記述されており、新聞などの報道を見てかなり驚き、怖くなったという人もいるのではないでしょうか。
日本においては、加工肉を平均よりも過剰摂取しなければ健康に問題はない
IARCの報告は確かに怖いですが、日本人の通常の生活において、加工肉を過度に避けるべきかというと、そうではありません。国立がん研究センターによると、2013年と少し古いデータですが、日本人の加工肉摂取量は1日当たり13gです。これは世界的に見て最も摂取量が低い国の1つとしています。 そして、国立がん研究センターがん予防・検診研究センター予防研究グループが国内の45~74歳の男女約8万人を対象に加工肉摂取量と大腸がん罹患リスクについて調査をしています。結果として、加工肉については、男女とも摂取量と大腸がんとの関連は見られなかったと結論付けています。 そのため、大腸がんの発生についても、日本人の平均的な摂取の範囲内であれば、加工肉を食べたからといってすぐに悪影響を及ぼすとは考えづらいでしょう。 ちなみに、同予防研究グループでは、加工肉と大腸がんとの関連について、「可能性あり」としています。これは海外と比べると弱い関連性であり、日本人の加工肉摂取量が低いため、この程度の表現となっているのでしょう。 これらの結果をもとに、「日本人のためのがん予防法」では、食事要因については「塩蔵品を控える」「野菜・果物不足にならない」「熱い飲食物をとらない」を目標に定めています。加工肉については、かつては摂取を控えることを目標にしていた時期もあります。しかし、日本人での科学的根拠がそこまで明確ではない点と、総合的な健康のためにはある程度の摂取が必要と判断し、現在は取り下げているようです。
まとめ
加工肉は過剰に摂取すると大腸がんのリスクを上げそうですが、日本人が普通に食べる程度であれば、それほど気にする必要はありません。 過度に気にせず、他の食品も含めバランスの良い食事をこころがけましょう。 出典 国立研究開発法人国立がん研究センター 赤肉・加工肉のがんリスクについて 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部