ICANメンバー「被爆者の貢献が評価された」 被団協の平和賞に
日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)のノーベル平和賞受賞決定を受け、2017年に同賞を受けたNGO「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」の条約コーディネーター、ティム・ライト氏(39)が13日、広島市内で記者会見した。ライト氏は「核なき世界の実現のために長年、証言活動をしてきた被爆者の貢献が評価されて喜ばしい。より多くの国が核軍縮を進め、核兵器禁止条約に加入するきっかけになれば」と期待を語った。 【写真特集】毎日新聞記者が撮った被爆1カ月の広島 ライト氏は今月、25年3月に開かれる核禁条約第3回締約国会議への出席を促す書簡を日本の外務省に送ったことを明らかにした。「唯一の戦争被爆国として日本が参加する意義は大きい。せめてオブザーバー参加してほしい」と求めた。 ICANは25年の被爆80年に向けて、核兵器が子どもたちに与える影響などについて啓発活動を強化していくという。川崎哲・国際運営委員(55)は「世界が危機的な状況にある今、高齢の被爆者が語ってくれることばかりに頼るのではなく、日本政府や市民が(核廃絶に向けた取り組みを)どう広げていくかが問われている」と指摘した。 ライト氏は広島市で13日から4日間の日程で開催する「ICANアカデミー」の講師として来日した。アカデミーは、核兵器や安全保障について学び、世界で活躍するリーダーを育成することを目指している。【武市智菜実】