規格外の白桃を有効活用した甘酒いかが 岡山県倉敷市の難波さん、製造費用募るCF
岡山県内有数の桃産地・倉敷市玉島地区で白桃栽培に取り組む難波頌治さん(33)=同市=は、規格外の白桃を使った甘酒などの製造費用をクラウドファンディング(CF)で募っている。地球温暖化が原因とみられる変形果が近年急増しており、生食用として出荷できない果実の有効活用を目指す。 難波さんは同地区で60年以上続く桃農家の3代目。銀行退職後、2019年に就農した。「なんば農園」の屋号で90アールの農地に「白鳳(はくほう)」「清水白桃」など5品種約100本を栽培する。ここ数年は夏場の高温に悩まされ、これまで廃棄していた規格外品が年々増加。23年は前年より4割程度多い500キロ近くに上った。 危機的な状況を受け、23年から規格外品を使った加工品の商品化に着手。岡山県内外の食品関連会社に製造を依頼し、米と米こうじで作った甘酒のほか、果汁60%の「ネクター」を昨秋発売した。いずれも900ミリリットルと180ミリリットルの2種類を用意し、自社サイトや県内の直売所、道の駅などで販売。用意した23年産の計約2千本は完売した。 24年産はカメムシ被害も重なるなどし、規格外品は700キロと収穫量(1400キロ)の半数に及んだ。今後、加工品の製造を強化する考えという難波さんは「甘酒は飲みやすく、ネクターは濃厚な白桃の風味が楽しめる。将来は内製化も検討し、販路を拡大して多くの人に親しまれる商品にしたい」と話す。 CFは山陽新聞社や中国銀行などが運営する「晴れ!フレ!岡山」を活用。当初の目標額5万円を既に達成し「ネクストゴール」の30万円を目指して11月29日まで募っている。返礼品は甘酒やネクターで、詳細は専用サイト(https://readyfor.jp/projects/148230)。