ビタミンDとカルシウムが女性のがんリスク低減?米医学誌が発表
骨粗しょう症を予防する効果があるとして、閉経後の女性たちに摂取が推奨されることが多いカルシウムとビタミンDのサプリメントには、「ほかの効果もあると考えられる」との研究結果が新たに発表された。 【写真】栄養士がおすすめ!ビタミンDが豊富な18の食材 ただ、米国内科学会(ACP)が発行する医学誌『アナルズ・オブ・インターナル・メディシン』に掲載されたその論文によると、これらのサプリメントをとることは、心疾患リスクを高める危険性があるという。さらに、早期死亡を予防する効果はないとみられている。 つまり、アメリカ国立衛生研究所(NIH)が閉経後の女性を対象に実施している大規模な臨床試験、「女性の健康イニシアチブ(WHI)」によって収集された3万6000人以上の女性に関するデータから明らかになったのは、これらのサプリメントの組み合わせが“諸刃の剣”になる可能性もあるということ。 がんによる長期的な死亡リスクは7%低下していたものの、心臓疾患による死亡するリスクは6%高まっていたという。 いっぽう、がんの専門医であり、がん患者のためのスキンケアブランド「バルミア(Balmere)」の創設者でもあるマドゥ・シェッティ医師は、ホルモン療法の一環として閉経後の乳がん患者に処方されるアロマターゼ阻害薬(アナストロゾール、レトロゾール、エキセメスタンなど)の標準的な服用期間が5年以上であることを指摘している。 アロマターゼ阻害薬は、カルシウムの生成を妨げるおそれがある。そのため、骨粗しょう症のリスクが高くなる不安から、必要とされる5年間の服用を続けない女性たちも多いという。シェッティ医師は、骨の健康維持やがんの再発を防ぐため、ビタミンDとカルシウムをサプリメントで補うことが重要なのは、そのためでもあると話している。
サプリメントは本当に必要?
プレスト博士は、サプリメントは基本的に、食品から必要な栄養を十分にとることができない人や、特定の栄養素が欠乏しており、それを補う必要がある人が摂取すべきものだと説明している。 さらにシェッティ医師は、ビタミンDとカルシウムのサプリメントをとることについては、誰でも個別のリスクと効果について、医師に相談すべきだとしている。 そのほか栄養士のケリー・ガンズさんは、骨密度が低下し、骨そしょう症を発症する可能性がある「骨減少症」のリスクが高い人、または骨粗しょう症の人に対しては、医師がこれらのサプリメントの摂取をすすめる可能性があると話している。 サプリメントはを栄養を補うための製品です。医薬品ではなく、病気の治療や診断、緩和、予防、治癒を目的としたものではありません。特に妊娠中、授乳中の場合、サプリメントの摂取には注意が必要です。医師から摂取をすすめられた場合を除き、子どもに与えることにも、慎重に検討することが必要です。 ※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。 これらの疾患のリスク因子には、「アジア系である、小柄である、骨粗しょう症の家族歴がある、閉経している、無月経だった時期がある」ことなどが挙げられるという。