【石垣いちご】「甘くて最高!!」“伝統を未来につなげたい” 100年以上の歴史 “老舗いちご農園”を継いだ男性に密着(every.しずおか特集)
山の斜面を利用した独特な石垣栽培
石垣での栽培は、平地での栽培に比べ、重労働にはなるものの、山の斜面を利用し、全てのイチゴに日光があたり、石垣に熱が蓄積されるため、夜間も根を冷やすことなく育てることができるメリットがあります。 (サクザ農園 西澤 郁 さん) 「根付かないとイチゴの苗が成長しない。そのままダメになる苗もあるので、水かけなどの管理は大変」 イチゴの実ができ始めた11月、イチゴ狩りのシーズンに向け、ハウスにビニールを張る時期がやってきました。家族総出で力を合わせ、1週間かけて80棟のビニールハウスを完成させました。
高齢化や後継者不足も深刻
着々とイチゴ狩りの準備が進む一方で、こんな現実も…。 (サクザ農園 西澤 郁 さん) 「年々周りの農家たちがやめていって、どんどん雑木林になってしまう。雑草の種が舞ってきて、自分の畑も雑草だらけになってしまう」
駿河湾に面した「いちご海岸通り」には、かつては「いちご娘」が並ぶなど活気がありましたが、イチゴ農家は徐々に数を減らして、現在は最盛期だった1960年代に比べ半分以下に。後継者不足も深刻になっています。
一方、西澤さんの実家は、久能で100年以上続く老舗「サクザ農園」。西澤さんも大学卒業後、一度は県内の住宅メーカーに就職し、会社員として働いていましたが、5年前、実家に戻り、イチゴ農園を継ぐことを決意しました。 (サクザ農園 西澤 郁 さん) 「祖父には『継いでほしい』とよく言われていたんですけど、最初は大変だから継ぐのはやめた。“石垣いちご”自体は人気がなくなっているわけではなかったので、“盛り上げたい”って気持ちはありました」
「甘くて最高」全国からファンがイチゴ狩りに!
年が明け、本格的なイチゴ狩りのシーズンがやってきました。ハウスに入ると…大きな「章姫」が実っていました。 (サクザ農園 西澤 郁 さん) 「ことしはすごくいい。夏が暑かったので、イチゴがどうなってしまうか心配したが、年末からいいタイミングで気温が下がったおかげで、いいものができた。大きさが良く糖度が高くて、おいしい状態になっている」 西澤さんの「サクザ農園」には、この時期を待ちに待ったお客さんが全国からやってきます。ハウスに案内されると、お客さんたちが次々とイチゴを口に運んでいきます。
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