賞金ランク6位・石川遼 逆転賞金王へ条件クリアV不可欠も歓迎 ツアー最終戦28日開幕
「男子ゴルフ・日本シリーズJTカップ」(28日開幕、東京よみうりCC=パー70) 2015、19年大会を制した石川遼(33)=CASIO=が27日、開幕前日のプロアマ戦でコースを回り、最終調整を行った。大会史上最多の6人に賞金王の可能性が残っているが、石川の09年以来の賞金王は優勝しても平田の3位以下という条件付き。自力では逆転不可能な状況をかえって歓迎し、大会3勝目へ自然体で臨む。 石川の肩の力がほどよく抜けていた。ホスト大会Vを逃して涙を流した前週から、気持ちを切り替えて表情はさっぱり。可能性が残された15年ぶりの賞金王にも、前のめりにはなっていなかった。 「あまり変な邪念だったり、雑念が入ることなく、ある意味できる」 最終戦史上最多の6人に賞金王のチャンスがあるが、石川は賞金ランク6位。トップの平田との差は約2648万円で、逆転の絶対条件である優勝を果たしたとしても、平田が単独2位なら逆転は不可能になる。 自力だけでは届かない状況はかえって“歓迎”だ。メンタルスポーツのゴルフにおいて、重圧は当然マイナス要素。賞金王が懸かっていた09年最終戦は、「かなり意気込んでいて『決めてやる!』と思って大たたきした」と、初日に78をたたいた苦い経験もある。 だが、再び海外に挑戦するには、ひとつでも賞金ランクを上げて今季を終わりたいところ。17年以来となる米ツアー再挑戦に向け、すでに米下部ツアー2次予選会の出場を表明しているが、米ツアーに次ぐ世界最高峰の欧州ツアーにも参戦意欲がある。 シーズン終了後の国内賞金上位3人には、25年シーズンの出場権が限定的ながら与えられる。「常にその機会があれば、上のレベルの試合に出てみたいと思う」。10代から日本のゴルフ界を引っ張り海外でも戦ってきた石川の情熱は、円熟味が増した33歳になっても冷めていない。