米産地 PRの“顔”そろい踏み 需要拡大へ著名人起用
2024年産米を売り込むイメージキャラクターが主要産地で出そろった。消費者の共感を得やすい地元出身のタレントに加え、国民的なアスリートや著名人を採用する動きが広がる。米の価格が上昇した局面で需要の確保が急務となる。キャラクターを通じた訴求力に期待が高まる。 【画像】 みやぎ米をアピールするサンドウィッチマンの2人 JA全農にいがたは24年産米のイメージキャラクターに、新潟県出身でラグビー日本代表の稲垣啓太選手と、ファッションモデルで妻の貴子さんを夫婦で起用した。稲垣選手は20年産から5年連続で、貴子さんは今年が初めて。主要購買層の20~40代の消費者に向けて「こんな夫婦になりたいという憧れを表現した」(全農にいがた米穀部)という。 アスリートを採用する動きは他の産地でも活発だ。全農いわては、プロ野球選手の佐々木朗希選手を24年から「いわて純情米」のPRに起用。全農ちばは、東京オリンピックの女子レスリング50キロ級で金メダリストの須崎優衣選手を通じて「食の大切さ」をアピールし、県産米の消費拡大につなげたいとする。 地元出身のタレントを起用する産地も多い。宮城ではお笑い芸人のサンドウィッチマン、秋田では「サキホコレ」にタレントの壇蜜さん、福井では「いちほまれ」を俳優で元アイドルの大島優子さん、福島の「福、笑い」では、俳優の竹下景子さんがCMのナレーションを務めるなどして売り込む。複数年連続での起用が多く、サンドウィッチマンは今年で8年目。 一方、知名度やイメージを重視し、地元出身でない著名人を起用する産地もある。山形県は24年産の「雪若丸」で俳優の田中圭さんを6年連続で起用。同県農林水産部は、主要な客層となる20~40代女性から高い支持を集めている点が決め手という。北海道では、マツコ・デラックスさんが10年連続で道産米のPRを担っており、CMやグッズなど多様な場面で活躍している。 24年産米を巡っては、米価上昇局面となったことで消費減退を懸念する声が出ている。需要の維持・拡大にはファンを広げる必要があり、産地や銘柄の知名度向上に向けた宣伝が重要だ。イメージキャラクターの活躍ぶりに注目が集まる。
日本農業新聞