リアルなカラスのぬいぐるみ、なぜ人気? 生物園が「攻めたお土産」をそろえた理由
リアルなカラスのぬいぐるみに、ヘビの抜け殻……。足立区生物園のオンラインショップがSNSで話題になっています。一風変わったぬいぐるみをお土産にしたいと選ぶ子どもに、たじたじになる保護者もいるようです。ラインナップの狙いを聞きました。(朝日新聞デジタル企画報道部・武田啓亮) 【画像はこちら】リアルでかわいい チョイスが独特 足立区生物園の「攻めた」グッズ
1年ぶりの再入荷
東京都足立区の元渕江公園内にある、足立区生物園のX公式アカウントが、こんな投稿をしたのは、5月10日のことでした。 「きゅるっとした目が可愛い、しっかりした造りのぬいぐるみ。カラスは身近な野鳥ですが、中々リアルなぬいぐるみは少ない印象です。ぜひご覧ください」 ユーザーからは「確かにカラスがぬいぐるみになってる印象は少ないかも」「これは買わねば」といった反応が寄せられました。 そして、翌11日には「予想外の反響をいただき、生物園オンラインショップでは現在売り切れとなっております。再入荷時はこのアカウントでお知らせします」というお知らせがありました。 アカウントを見ると、その後も、再入荷と売り切れを繰り返しているようです。 生物園に取材を申し込むと、ミュージアムショップを担当している綱島歩美さん(28)が対応してくれました。 「大きな反響をいただき、驚きつつも嬉しく思っています。園側で大量の在庫を持つことは難しいため、売れ行きを見ながら、随時メーカーさんから取り寄せている状況です」 実はこのカラスのぬいぐるみが園のショップに並ぶのは、昨年4月以来、約1年ぶりだそうです。メーカーにも在庫が無い状態が続いていたため、長期間の「再入荷待ち」となっていたとのこと。 「今はまだメーカーさんに在庫があるため、比較的早く再入荷できているのですが、今後の売れ行きによってはまた長期間お待たせしてしまうこともあるかもしれません」
売り上げが3倍に
生物園がオンラインショップを始めたのは約3年前からだそうです。 「コロナ禍で断続的な休園があったため、その間にもなにかできることがないかと考えて始めたんです」 このオンラインショップが評判を呼び、昨年のミュージアムショップの売り上げはコロナ禍前の3倍にもなりました。 ただ、不思議なことに、売り上げの9割はオンラインショップではなく、園内にある実店舗での売り上げだそうです。 「『オンラインショップを見て園の存在を知り、足を運んだ』『グッズが面白そうだから遊びに来た』というお客さんが多いんです。オンラインでの売り上げ比率は少ないのですが、オンラインショップが園全体の宣伝になっているみたいです」と綱島さんは分析します。