草なぎ剛と清原果耶が初共演 清原の芝居を見て「つい言っちゃった」言葉とは
映画「碁盤斬り」で共演した二人。「娘役が清原さんだったから役を演じられた」という草なぎ剛と、「いつか共演できたら」と願っていたという清原果耶が撮影を振り返った。AERA2024年5月20日号より。 【写真】草なぎ剛と清原果耶の写真をもっと見る * * * ――舞台は江戸時代。身に覚えのない罪を着せられた浪人・柳田格之進(草なぎ)は、娘のお絹(清原)と長屋で暮らしていた。ある日、冤罪事件の真相を知らされた格之進はある決断をする。お絹は父のため、遊郭に身売りする覚悟を決める──。静かに復讐に燃える男を、草なぎはどんな思いで演じていたのか。 草なぎ:「こんなに可愛い娘がいるのに遊郭に出すなんて、格之進は何をしているんだ!」と思いながら僕は演じていましたよ。そんなふうに思わせてくれたのは、ほかでもなく清原さんだったから。 清原:本当ですか? ありがたいです。 草なぎ:現場でも言ったよね。上から目線の言い方になってしまうけれど、「清原さん、あなた素敵だよ」って。 清原:そうでした、言っていただきました。 草なぎ:ラストの方のシーンでのお芝居を見たときに、本当にそう思って。俳優さんに「よかったよ」なんて、おこがましくて言えないけれど、つい言っちゃった。 清原:すごく嬉しくて、いまでも覚えています。 草なぎ:涙を流すシーンなのだけれど、感極まった感じが本当に素敵で。その瞬間、「愛すべき娘だな」と思ったもん。清原さんは人当たりが良くて、性格もいいなと感じるから、会ったときから自然と会話をしていたね。
■空間を支配する力 ――物語においては、親子ではあるものの同志のような、共犯関係にあるような、不思議な関係性が垣間見える。 草なぎ:清原さんの持つグルーヴがいいなと、最初から感じていて。父と娘が不思議と仲が良くて、いい始まり方だな、とも感じていました。清原さんは現場では(共演者の一人である)中川大志君と熱心に囲碁の練習をしていたよね。 清原:役にあやかって、勉強していましたね。やるからには、中川さんに勝ちたいという気持ちもあって。 草なぎ:カットがかかる度に、二人で本気で囲碁をしていたよね。清原さんは吸収力がすごい。僕はコーヒーを飲みながら、そんな二人を眺めていたけれど(笑)。 清原:以前もお伝えさせていただいたのですが、私は草なぎさんが主演をされた映画「ミッドナイトスワン」が大好きで。まさか草なぎさんの娘役として現場でご一緒できるとは想像もしていなかったので、毎日緊張していました。現場に入られると「父上がいらした、今日も頑張ろう」と。役柄のうえでも「父上のためなら腹を括ろう」と思っていました。 草なぎ:清原さんはエネルギーを持っている方で、内側から湧き出る娘としての思いが伝わってきた。僕にとっても、格之進という人間にとっても、こんなに可愛い娘がいるから奮闘できた、というのもあると思う。格之進にとって大切なシーンでも、やはり清原さんの顔を思い出しながら演じていたから。清原さんのグルーヴがとても良かったから、スッと世界観に入ることができた。