マカンに続きポルシェカイエンも第4世代でEVへ転身。ただし2030年以降も第3世代のガソリン車は併売か
カイエンはEVだけではない。ガソリンとハイブリッドを併売
2024年7月26日、ポルシェAGは2025年中にフルモデルチェンジを予定している新型(第4世代)カイエンがEVであることを公表するとともに、従来型(第3世代)カイエンに搭載されているガソリンエンジンとプラグインハイブリッドのパワートレーンを改良することも明らかにした。 【写真】EVの第4世代ポルシェ カイエンをもっと見るでござる 2019年、4ドアセダンのタイカンから始まった現代におけるポルシェのEVラインナップは、クロスオーバーSUVのタイカンクロスツーリスモ(2021年)やステーションワゴンのタイカンスポーツツーリスモ(2022年/日本未発売)、第2世代へのフルモデルチェンジでEVへと転身したマカン(2024年)と、ラインナップは着実に拡大してきた。 そしてポルシェが掲げる「2030年には新車の80%以上をEV化」する製品戦略に向けて、今回新たにラージサイズSUVのカイエンも第4世代へのフルモデルチェンジでEV化することが発表された。 2002年から3世代にわたってスポーツ色の強いSUVとして人気を獲得してきたカイエンの伝統を継承しつつ、800Vアーキテクチャを採用したプレミアムプラットフォームエレクトリック(PPE)をベースに、最新の電動化技術が統合される。 車両の詳細については公表されていないが、開発はすでに公道走行テストを行う段階にまで進行している。ボディにカモフラージュ加工を施されたプロトタイプが、ポルシェの工場を出発。発売されるであろう2025年頃までに、世界中のあらゆる気候や地形をテストするため数百万kmの試験走行が行われ、ハードウェアやソフトウェアの改良、そして耐久性と信頼性を確保する開発作業が繰り返されるとしている。 驚かされたのは、この発表と同時に公開された第3世代カイエン改良の情報だ。 2023年に大規模なアップグレードが行われたばかりの現行モデルだが、今後、さらなる技術革新のための多額な資金が投入され、パワートレーンを主軸にした開発が進行する。とくにツッフェンハウゼンのエンジン工場で製造されるV8ツインターボエンジンは、近い将来に施行される新しい法規制に対応する環境性能を得るため、広範囲におよぶ技術的な効率向上策が施される。 あわせて第3世代カイエンのハイブリッドシステム(PHEV)も進化するとしており、2030年以降のカイエンは「第4世代のEV」、「第3世代のV8ツインターボ車」、「第3世代のPHEV」からなる3種類のパワートレーン搭載モデルが併売されるということだ。 新型EVと旧型ガソリン車併売という図は、まさに現在の「マカン」と同じ状態。ラインナップをEVに絞るのではなく、内燃機関の効率化を図りつつ将来のEVフルラインナップ化に向かっていくポルシェの方針を指し示す発表と言えるのではないだろうか。