さすがの節税効果! 3分でわかる「NISA」「iDeCo」のすごいメリット【経済評論家が解説】
政府は「貯蓄から投資へ」「貯蓄から資産形成へ」といったスローガンを掲げ、岸田政権は「資産所得倍増計画」を打ち上げています。そうしたなか、NISAとiDeCoという投資優遇税制が設けられています。投資をする際にはぜひとも活用を前向きに検討しましょう。経済評論家の塚崎公義氏が解説します。 国民年金・厚生年金「年金受取額」分布
NISAは気楽に使える節税枠
NISAというのは、一定の限度額までの投資であれば、株式や投資信託等の値上がり益も配当収入も所得税等が非課税になる、という制度です。来年から枠が広がり、年間360万円まで投資できるようになりますし、生涯投資枠が1,800万円になりますから、夫婦2人で3,600万円まで非課税で運用することができるわけです。これなら、庶民の投資はすべてNISAで非課税ということも可能ですね。 制度が若干複雑ですが、金融機関に問い合わせれば懇切丁寧に教えてくれるはずです。現在の金融機関の最大の課題の1つが顧客のNISA口座の獲得ですから。というのも、NISA制度は1つの金融機関でしか利用できないので、口座を獲得できれば将来にわたって顧客の投資をほぼ独占できますし、他社で利用されてしまえば現在の顧客の投資がそちらに移されてしまう可能性が大ですから。
優遇税制が満喫できるiDeCo
iDeCoは、掛け金の上限が比較的少ないですし、手続きが若干面倒ですが、節税メリットが大きいので、ぜひ前向きに検討しましょう。ただし、高齢者は加入できないので、あしからず。 節税メリットとして、まずNISAと同様に投資から得られる売却益や分配金について所得税等が非課税となります。加えて、掛け金が所得控除になるのです。所得控除というのは、所得税額、住民税額等を計算する際に「所得から掛け金を差し引いた金額を所得額とみなして、それに税率を掛けていい」という制度です。 所得税は累進課税なので、所得の高い人ほど大きなメリットがあります。サラリーマン(男女を問わず、公務員等を含む。以下同様)は年功序列なので、毎年メリットが拡大していくことが期待されます。「もうすぐ定年だから、面倒な手続きをしたくない」と考える前に、節税メリットを計算してみるといいかもしれません。 NISAは、銀行預金はできませんが、iDeCoは銀行預金もできます。したがって、「株式等は暴落リスクがあるから嫌だけど、所得控除の恩恵だけ受けたい」という人でも利用が可能です。筆者としては、インフレに強い資産である株式も少しは持っておいたほうがよいと思いますが、そう思わない人でも活用を検討してみましょう。