「先頭に立って改革」 一夜明けインタビュー、衆院選和歌山2区当選の世耕氏
衆院選の投開票から一夜明けた28日朝、参院からのくら替えで衆院初当選の世耕弘成氏(61)が和歌山県田辺市稲成町の事務所で会見。報道陣のインタビューに答え、改めて決意を語った。 【世耕氏 保守対決制す くら替え、無所属で初当選、衆院選和歌山2区の動画はこちら】 ―選挙結果をどう受け止めているか。 個人としては非常に満足しているが、与党過半数割れで、政治が不安定になる。その原因をつくったのは、私が幹部を務めていた安倍派の裏金問題だということはじくじたる思い。だからこそ、政治とカネの問題は、私が先頭に立って改革を進めなければいけない。 ―選挙戦で、有権者から政治とカネの問題について理解を得られたという思いはあるか。 街頭での質問やヤジを覚悟し、それにしっかり答えていこうと思っていたが、そういう場面はなかった。失敗を率直に認め、謝罪をしている姿勢は認めてもらえたのだろう。 従来の概念から脱却しないといけない。私自身も反省すべき点がいくつもあった。忙しさにかまけて自分の事務所の収支をしっかりチェックしていなかった。体制をしっかり改め、事務所のお金の出入りはしっかりチェックしていくことが必要だと思っている。 ―自民党への復党の展望は。 まずは自民党が判断すること。政治が安定することが何より重要で、そういう枠組みに貢献できるなら貢献していきたい。ただ、枠組みがあまりに自分の政治信条とかけ離れたものになるのであれば、乗れないということもありうる。 自民党の政策に反発して離党したり、何か特定の法案に造反して処分を受けたりしたわけではない。あくまで責任を取って離党したわけで、政策的に自民党とすれ違う部分はほとんどない。26年間「ザ・自民党」でやってきた。戻ることに違和感はない。 ―保守分裂選挙のしこりは残らないか。 多くの方にご迷惑をかけた選挙。応援してくれた方にはおそらく圧力がかかったと思うし、逆に今回はごめんという方や、来られない人もいた。そういう方を恨む気持ちは全くない。苦しい思いをさせて申し訳なかった。だからこそ融和に努めたい。できれば、和歌山のために一緒に手を組んで仕事をしていきたい。 ―衰退している地方の活性化にはどう取り組むか。 今後、AI(人工知能)で大きな変化が起こるだろう。事務職、ホワイトカラーの仕事がなくなってくると、おそらく都会では人が余る。逆に地方では、AIでは代替できない、生産やおもてなし、癒やしに携わる人材が不足してくる、現に今出てきている。これをどう政策的にうまくつなげていくか。うまくつなげば地方への人の流れを呼び込むことができる。それを具体的に政策化していきたい。
紀伊民報