「紫金山・アトラス彗星」が地球最接近…福井から肉眼で見えた 天文愛好家「10月20日ごろまではスマホでも写る」
昨年発見された「紫金山・アトラス彗星」が地球に最接近し、福井県内で10月13、14日に日没後の西の低空で尾を引くような姿が肉眼でも確認された。天文愛好家は「20日ごろまではスマートフォンでも写るのではないか」と話している。 【動画】夕日が緑色に…グリーンフラッシュ撮影成功 この彗星は昨年1月に中国の紫金山天文台が発見、同2月に南アフリカの小惑星地球衝突最終警報システム(アトラス)も確認した。国立天文台によると、地球への最接近は10月13日。10月下旬以降は、太陽からも地球からも遠ざかり、徐々に暗くなる。 福井県大野市のスターランドさかだに周辺では14日夕、市内外の愛好家ら約25人が望遠鏡を構えた。午後6時10分ごろ、「見つけた」と声が響き、位置を教え合いながら観察。彗星の尾がはっきり見え始めると、「まさか肉眼で見えるとは」「涙が出そう」と、写真に収めていた。 主催者の一人で天文愛好歴約40年の橋本恒夫さん(52)=同市=は、肉眼で彗星を見たのは1996年の百武、97年のへール・ボップ、2020年のネオワイズ彗星に続き4回目。「空の状態も良く最高だった」と感動した様子だった。 同県越前市のネイチャーフォトグラファー林昌尚さん(66)によると、9月末から今月2日ごろにかけて日の出前に東の低空で観察できたが、3日以降は太陽の方向と重なって見えなくなり、12日から再び夕方に西の低空で見え始めたという。
福井新聞社