洗練の味を気軽に味わう「食通が通う京都の名店」和食や街中華の名店3軒
伝統が根付いていながら、新しい食文化にも寛容な京都の街。定番から話題の新店まで知る"ごはんたべ名人"に、いま気になる店や、太鼓判を押す店について伺いました。 京都あちこちの美食処を知る名人のお気に入りは、味よし、人よし、空間よしの太鼓判ばかり。その中でも山本憲資さんが特に足繫く通う、お気に入りの美味処をご紹介します。
食堂えびちゃん
■上質でいて肩の力の入らない料理の数々 えびちゃんこと伊藤竜治郎さんは、東京をはじめ海外での修業で多彩な料理を学び、京都の人気居酒屋や日本酒専門の立ち飲み店、そして、和食の名店「食堂おがわ」を経て2022年に独立。写真の「毛蟹の蟹味噌添え」ほか、店の名物を目指す常連により瞬く間に人気店に。「上質でいて肩の力の入らない料理の数々に圧倒されます」と山本さん。 【食堂えびちゃん】 京都府京都市下京区西木屋町通四条下ル 料金/コース10,000円~ 営業時間/17時~20時、20時30分~23時30分(日曜14時~17時) 定休日/水曜
のぐち継(つなぐ)
■京都らしい立地の店で洗練された京料理を 割烹「京天神 野口」が祇園白川に開いた2店舗目。5品のショートコースを基本に、おなかの具合でフレキシブルに一品料理を追加していくスタイルです。写真の「蒸し鮑にすっぽんの澄んだ煮凝りを合わせたひと皿」はある日のコースから。「東京ではあまり出合えない立地。洗練された料理を手軽に楽しめるのがいい」と山本さん。 【のぐち継】 京都府京都市東山区清本町371-4 営業時間/17時30分~21時30分(最終入店)予約制 定休日/日曜、不定休 料金/5品のコース15,000円、アラカルトあり
イーパンツァイタナカ
■京都の“街中華”らしいこなれた味と佇まい 少し雑然とした路地奥の立地。名店「上海バンド」跡に登場した中国料理店を営むのは、ホテル中華ひと筋に腕を磨いてきた店主の田中晋平さん。アラカルト主体で、写真は「豚とろと玉ねぎ、牛肉とモッツァレラ、ピリ辛海鮮の焼売三種」830円。「ほかでは味わえないような食材の組み合わせの妙を楽しめる中華です」と山本さん。 【イーパンツァイタナカ】 京都府京都市左京区田中里ノ内町26 営業時間/14時~15時30分、17時~20時(ともにL.O.) 定休日/水曜、木曜昼、不定休 予約は電話かURL(www.tablecheck.com)から 山本憲資さん[「SML」代表]●広告代理店、雑誌編集者を経て「Sumally」を起業。先日、代表を退任し、顧問に。軽井沢在住ながら京都にも頻繁に通う。食、アート、音楽など幅広いジャンルへの造詣が深く、関連の仕事も多数。 撮影=高嶋克郎 編集・文=平田剛三、吉岡博恵、八木あきほ(婦人画報編集部) 『婦人画報』2024年2月号