ECB、大幅利下げには「強力な」データ必要-アイルランド中銀総裁
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)は大幅な利下げをいざという時のためにとっておくべきだと、政策委員会メンバーのマクルーフ・アイルランド中銀総裁が述べた。2%のインフレ率が確実に軌道に乗るよう「慎重な」アプローチを支持すると語った。
ワシントンで開催中の国際通貨基金(IMF)年次総会への出席に際したインタビューに応じたマクルーフ氏は「急激な変化が必要だと感じるには、極めて強力なデータが必要だ」と指摘。
「歴史的には、大惨事の発生や喫緊の対応が必要だとデータが告げている場合に、急激な変化を行う」と述べた。
次回の12月会合で通常の2倍に当たる0.5ポイントの利下げがあり得るのかを巡り、ECBの政策委員らは議論を闘わせている。一部の委員は経済の失速に鑑み、この選択肢を検討すべきだと主張し、短期金融市場ではその確率が約50%と見込まれている。
マクルーフ氏はECBが高金利で景気を抑制する必要はもはやないことに同意するとしつつ、政策委員は引き続き「思慮深く」なければならないと呼びかけた。
「極めて景気抑制的な政策を維持する必要性はますます薄れている」と述べた上で、「だが、まだ懸念が必要な分野もある。サービスのインフレが比較的まだ高いことが自分には懸念される」と続けた。
原題:ECB Would Need ‘Powerful’ Data for Big Rate Cuts, Makhlouf Says(抜粋)
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Jana Randow, Mark Schroers, Alexander Weber