ウニクレディトのアンドレア・オルセルＣＥＯ

（ブルームバーグ）： ドイツのコメルツ銀行の取締役会は、イタリアの銀行ウニクレディトからの買収提案の可能性を踏まえ、企業防衛戦略を練り直している。

事情に詳しい関係者によるとこれは、ウニクレディトとの交渉に先立つ予防的な措置だという。ウニクレディトはコメルツ銀の９％株取得を明らかにしたが、この動きはコメルツ銀にとって予想外だった。

労働者代表はウニクレディトからのアプローチを拒否することへの政治的支援を得るために、経営陣と協調することが期待されている。

事情に詳しい関係者によると、ゴールドマン・サックス・グループがコメルツ銀のアドバイザーを務めている。コメルツ銀の広報担当者はコメントを控えた。

規制や政治的な障害のため欧州では大規模な銀行合併の実現が依然として困難であるにもかかわらず、コメルツ銀に白羽の矢が立った。

ウニクレディトのアンドレア・オルセル最高経営責任者（ＣＥＯ）はディールメーキングのベテランで、ウニクレディトを「欧州のための銀行」とする野望を繰り返し口にしている。

コメルツ銀行は、ドイツ国内での規模やポーランドでの事業展開から、ウニクレディトにとって相性の良い銀行と見られてきた。

一方、コメルツ銀監査役会メンバーでドイツの統一サービス産業労組（ベルディ）代表のシュテファン・ビットマン氏は、コメルツ銀はイタリアのウニクレディトと提携するよりも、フランスの銀行と提携協議を行った方が良いと、仏経済紙レゼコーに語った。

ドイツは産業政策や銀行経営に関して、イタリアよりもフランスとの間に相互理解があると指摘。また、フランスの大手銀行グループ２社がドイツ市場での成長に関心を示していることも挙げた。「銀行市場が再編されるならば、ドイツとしてはイタリアよりフランスと新しい道を歩む方が意欲が持てるだろうと想像できる」と付け加えた。

原題：Commerzbank Prepares Defense for Possible UniCredit Takeover (1)、Commerzbank Should Talk To a French Bank, Union Says: Les Echos（抜粋）

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