岸田首相、退任へ 自民総裁選に不出馬表明
岸田文雄首相が自民党の総裁選に立候補しないことを表明した。新首相が選出された後、退任する。
岸田文雄首相は2024 年8月14日、首相官邸で記者会見し、9月に予定されている自民党総裁選に立候補しないことを明らかにした。岸田氏は2021年10月4日に首相に就任し、8月14日時点での在職日数は1046日。岸信介元首相に次いで戦後8番目の長さとなっている。 岸田首相は記者会見の冒頭、「昨日、モンゴルのオヨーンエルデネ首相との電話会談を行ったことをもって、この夏の外交日程に一区切りつけることができた。お盆が明ければ、いよいよ秋の総裁選挙に向けた動きが本格化することになる」と述べた。 続けて、「今回の総裁選挙では、自民党が変わることを国民の前にしっかりと示すことが必要だ。そのためには透明で開かれた選挙、そして、自由闊達(かったつ)な論戦が重要だ。その際、自民党が変わることを示す最も分かりやすい最初の一歩は私が身を引くことだ。私は来たる総裁選には出馬しない」と語った。
岸田首相は自民党の派閥を巡る裏金事件を受けて、派閥解消などの党改革や、政治資金規正法の改正に取り組んだが、政権への批判は収まらず内閣支持率は低迷してきた。 総裁選への不出馬を決断した理由として、岸田首相は裏金事件などを挙げ、「所属議員が起こした重大な事態について、組織の長として責任を取ることにいささかのちゅうちょもない。事案が発生した当初から思い定め、心に期してきた」と説明。「当面の外交日程に一区切りがついたこの時点で、私が身を引くことでけじめをつけ、総裁選に向かっていきたい」との考えを示した。 9月の総裁選について、岸田首相は「日本が直面する難局は、本当に厳しい状況だ。総裁選挙では、『われこそは』と思う人は積極的に手を挙げて、真剣勝負の議論を戦わせてほしい」と期待を示した上で、「大切なことは、国民の共感を得られる政治を実現することだ。それができる総裁かどうか、私自身も自分の1票をしっかり見定めて投じていきたい」と述べた。 9月の総裁選に向けては出馬を模索する動きが複数あり、岸田氏の不出馬表明を受けて、今後動きが活発になるものとみられる。