凍結中の原発増設、建て替え含め5割が容認 核ごみ最終処分場は文献調査受け入れ反対37% 原発の町・薩摩川内市議選立候補者にアンケート
南日本新聞社は27日投開票の鹿児島県薩摩川内市議選(定数26)の立候補者32人(現職17、元職4、新人11)を対象に、原発関連のアンケート調査をした。凍結中の九州電力川内原発3号機の増設に「賛成」は12人(37.5%)で、「建て替え(リプレース)なら賛成」の4人(12.5%)と合わせた新規建設容認は半数に上った。 【写真】凍結中の原発増設、建て替え含め5割が容認 核ごみ最終処分場は文献調査受け入れ反対37% 原発の町・薩摩川内市議選立候補者にアンケート
質問は3問。賛否の選択と理由の記述を求めた。9月中旬~10月中旬に実施し、30人が回答。2人は賛否を含め無回答だった。 川内原発3号機の増設を巡っては2010年、市議会と市長、県知事が相次いで同意を表明。福島第1原発事故を受け、12年に知事が計画を凍結した。政府は23年、原発への依存度低減から転換し、廃炉が決まった原発敷地内で次世代型原発の建て替えを進める方針を閣議決定している。 増設に「反対」は5人、「どちらともいえない」は9人だった。賛成とした候補は電力需要の高まりや安定供給を理由に挙げ、反対の候補からは再生可能エネルギーへの転換を求める声があった。 ほかに政府が24年度内にまとめる次期エネルギー基本計画に関し、原発の「最大限活用」を検討していることについて質問。「賛成」は17人で53%を占めた。「反対」4人、「どちらともいえない」9人だった。 石破茂首相は総裁選当初、「『原発ゼロ』に近づけていく努力を最大限する」と述べたものの、首相就任後は利活用を明言。自民党は衆院選公約で最大限活用を訴える。
原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に関しても聞いた。第1段階となる文献調査の受け入れは「反対」が最も多く、12人(37.5%)。「賛成」は7人(21.9%)、「どちらともいえない」は11人だった。原発立地を理由に、これ以上の受け入れに否定的な意見があった一方、立地自治体としての責任を指摘する声も聞かれた。 核のごみは長期間強い放射線を出すため、地下深くに埋めて処分することが法律で定められている。文献調査は北海道の2町村のほか、今年6月には原発立地自治体で初めて佐賀県玄海町でも始まった。
南日本新聞 | 鹿児島