【自販機キラー】そもそもどうして「500円硬貨」のデザインを変えたのですか? 税金を使うほどのことでしょうか?
日本では、頻繁にではないものの、硬貨のデザインが変更されることがあります。硬貨のデザイン変更の際には、問題が生じるケースも少なくありません。消費者からすると困ることもあるでしょう。 硬貨のデザイン変更は問題が生じやすいという声もあります。今回は、新硬貨発行の際に生じやすい問題や、硬貨のデザインを変える理由を考えてみます。 ▼実家の物置で「鳳凰」の描かれた100円玉を発見! 昔のお金は今も使える? 高く売れる場合もあるの?
新硬貨の問題とは
硬貨のデザインが変更されると、新硬貨を持っていても、一時的に買い物などに使えないお店や機械が出てくるといった問題が生じます。 例えば、自動販売機や自動券売機、硬貨を投入するタイプのレジなどでは、新硬貨に対応していなければ使用できません。新500円硬貨は旧500円硬貨とはデザインが異なるので、新硬貨に対応していない機械では偽造硬貨とみなされてしまうためです。 店員などが消費者と直接現金のやり取りをするタイプの店舗の一部でも使えない可能性があります。 新硬貨が発行されたことを知らない、あるいは具体的なデザインを把握していない店員は、やはり偽造硬貨だとみなし、受け取るのを拒否するケースも少なくありません。新硬貨の発行とデザインが浸透するまでは、使えない店舗が数多く残ってしまうでしょう。 新硬貨の発行により、消費者だけではなく企業や業者の負担も増加します。上記の自動販売機や自動券売機、レジを導入している企業や業者は、新硬貨に対応している機械に変更しなければいけません。 一部の機械はプログラムの変更により対応が可能ですが、機械そのものを買い替えなければならない店舗などもあるでしょう。自動販売機のメーカーが、一つひとつの機械に対応しなければならないケースもあります。
硬貨のデザインを変える理由
消費者にも企業や業者にも負担が生じる新硬貨の発行ですが、硬貨のデザインの変更には、もちろん理由があります。最大の目的は偽造防止です。 令和3年から発行が始まった新500円硬貨は、従来のものと比べて高度な技術と繊細な加工により作られています。精巧な作りであるほどコピーがしづらいため、新500円硬貨を偽造するのは容易ではないでしょう。 硬貨の偽造防止技術とともに、偽造技術も進化しています。偽造を防止するには、ある程度の期間ごとに最新の技術を用いて新硬貨を発行するほかありません。 警察庁によると、令和4年に発見された偽造500円硬貨は825枚です。数としてはさほど多くはないものの、依然として偽造500円硬貨が発見されています。新硬貨が発行されなければ、この数は増えていく可能性が高かったでしょう。