読むだけで強くなれるかも!? Mリーグ優勝チームの船長・小林剛が語る"現代麻雀理論超入門"
小林 白發中(ハクハツチュン)もそうですが、今は役牌から先に切っていく人が増えています。特にダブ東(トン)などは、親の手元にふたつ重なる前に捨ててしまったほうがいいということですね。 配牌として役牌に頼らざるをえないなら残すべきですが、そうでないなら1巡目で役牌を切ってしまったほうが、他人の手作りを邪魔できます。 ――それでもなかなか手作りが進まなかった場合、形式テンパイについてはどう考えるべきでしょうか。 小林 ほかの誰かがテンパイしているなら、昔はたかが1000点、1500点のために無理をするのは邪道とされていました。ところが最近は、振り込んでしまう確率とテンパイ料をもらえる確率を比較して、多少危ない牌を勝負してでもテンパイを狙うプロが増えています。 例えば、最後の一打さえ通せればテンパイで終えられる場合。20%ほどの確率で満貫を振り込んでしまうと仮定しても、残る80%の確率でテンパイ料を1500点もらえるのだとすれば、期待値的にはテンパイを選んだほうがいいとされています。 ――なんだか強くなった気がします。ありがとうございました! ●小林剛 Go KOBAYASHI 1976年生まれ、東京都出身。競技麻雀のプロ団体「麻将連合(マージャンレンゴウ)」に所属し、獲得タイトル多数。MリーグではU-NEXT Piratesに所属。プロ入りした20代の頃からツキや流れを根拠とした麻雀論に異を唱える、業界きってのデジタル派 取材・文/友清 哲 撮影/榊智朗