読むだけで強くなれるかも!? Mリーグ優勝チームの船長・小林剛が語る"現代麻雀理論超入門"
小林 また、昔はいかにも使えそうな牌を捨てて迷彩を敷く(待ち牌をわかりにくくする)のがはやっていましたけど、そんなことをするよりも、真っすぐ手作りするほうが確実です。迷彩も過去のものといっていいでしょう。 ――リーチをしないダマテンは、今は推奨されなくなっているのでしょうか? 小林 誰よりも先にリーチをする「先制リーチ」の最大の効果は、ほかの人が普通に打てなくなることです。人の手作りを邪魔できるのは、大きなメリットだと思いますよ。自分のリスクを減らし、得点の可能性を高めるわけですから。 ――まさしく先手必勝ですね。 小林 そうです。例えば2ピンと4ピンが手牌にあって、もし5ピンを引くことができれば3・6ピン待ちで平和(ピンフ)が作れるような場合(図参照)、昔はリーチをせずに待つのが主流でしたよね。 でも実際、都合よく5ピンを引くことなんて確率的には極めて低い。それに、待っているうちに3ピンをツモろうものなら、ツモのみの安手になってしまいかねません。だったらリーチをかけたほうがいいんですよ。リーチには一発や裏ドラというメリットもありますから。 ――ほかに小林プロがオススメする役はなんでしょう? 小林 最近はホンイツを好む人が多いですよね。鳴いても2翻(ハン)役なので攻撃力もそれなりにありますし、プレッシャーを与えて周囲の手を遅らせられる可能性もあるので、守備力も高いといえます。 ■昔とは大きく異なる役牌の使い方 ――配牌に役牌があった場合は、積極的に集めに行くべきでしょうか? 小林 役牌の価値も、昔とはだいぶ変わってきました。特に後づけを狙うケースが増えていて、以前であればほかの牌を先に鳴いてしまったら、もう手持ちの役牌でしかアガれないから効率が悪いといわれていました。 しかし最近では、手牌を見て、トイツの役牌に頼らなければアガリは難しそうだと判断したら、チーから入ってもいいのではないかという考えが主流になっています。どのみちその役牌でしかアガれないなら、手が早いほうがいいですからね。 最近は、ペンチャンやカンチャンから先に鳴いて、いざというときはトイツの役牌を安全牌として逃げ道に使う手法も増えてきました。 ――なるほど~。では、配牌で風(かぜ)牌が複数ある場合、自風を残し、オタ風から先に切るのが昔のセオリーでしたが、これについてはいかがです?