トヨタがF1チームと業務提携 モータースポーツでメーカーが得られることって…なに?
日本人が再びF1に関わることができるのはうれしいこと!!
冒頭でも触れたように、トヨタは2009年シーズンを最後にF1から撤退しているが、その決定を下したのは当時の社長、豊田章男氏(現トヨタ自動車会長)だ。「利益を追求して会社を大きくするためには、いまでも正しい判断だった」とする豊田会長だが、一方で、いち個人としては日本人のドライバーやレースエンジニア、モータースポーツに関係する皆をがっかりさせてしまったことを、心残りに思っていたそうだ。 今回のHaasとの業務提携によっても、日本人ドライバーがF1ドライバーになれる確証はなく、日本のトヨタ社員が、(TGRに移籍した上で)TGR内で認められ、F1エンジニアに選抜される道は限りなく険しい。欧州のTGRにはレースに慣れ親しんだ優秀な海外エンジニアがたくさんいるからだ。それでも、トヨタが最高峰のレースであるF1に関わる機会が再び設けられたことは、クルマ好き日本人としてはとても喜ばしいこと。実に豊田会長らしく、心の底から「ありがとう」といいたい。 モータースポーツを通して得られることは、ドライバーが勝利することで得られる「利益」や「名誉」だけではない。関わったエンジニアが得る経験や知識はとてつもなく大きいものがあり、レース活動を行う上で大いに活かされる。また、サーキット関係者やファクトリー関係者、マーケター、そしてモータースポーツを支えるファンによってモータースポーツが盛り上がれば、それに憧れる人が増え、よいサイクルが生まれる。自動車産業の大きな底力となるのだ。
ライバルは強敵、ただそのぶん「やりがい」があるのでは
2024年10月27日に行われたF1メキシコGPでは、Haasは7位と9位に入賞、合計10ポイントを獲得してトータル48ポイントとなり、コンストラクターズランキングは10チーム中、6位を維持している。だがひとつ上はアストンマーティンの86ポイント、2つ上はメルセデスの366ポイントと、ギャップはとてつもなく大きい。 ただそのぶん、TGRとしては「やりがい」があるだろう。来シーズンから本格的に始まるTGRとの提携。Haas F1チームの今後からは目が離せない。