時代は4点から6点へ! 進化するサーキット用シートベルトと安全デバイス~カスタムHOW TO~
その場合、重要になるのはフルハーネスの肩ベルトを強く締めていなければ効果を発揮できないということ。そこで問題になってくるのが4点ベルトなのである。
◆4点式シートベルトの問題点
4点式シートベルトの場合、まず腰ベルトを強く引っ張っておかなければならない。その上で肩ベルト引いていくが、腰ベルトが少しでも緩いと、肩ベルトを締めていくと腰ベルトが徐々に上に上がってきてしまうことがある。
本来は腰ベルトは腰の低い位置で止めなければならないが、肩ベルトによって上に引き上げられてしまうと腰ベルトが本来よりも上がり、バックルがみぞおちあたりまで来てしまうことがある。
そうなるとクラッシュしたときに内臓にダメージが及ぶ可能性が高く、非常に危険。だが、ハンスの効果をしっかりと発揮するには肩ベルトを強く締めなければならない。でも、そうすると腰ベルトが上に釣り上がりやすいそういったジレンマから生まれたのが5点式、もしくは6点式シートベルトなのだ。
この5点式、もしくは6点式シートベルトは、股下ベルトと呼ばれるベルトがフロアから生えていて、そこにバックルが固定されている。
そのバックルに左右から腰ベルトを差し、肩ベルト2本も差す。こうすることで肩ベルトを強く引いても股下ベルトがあるので、バックルが上に釣り上がってこない。クラッシュした時にも内臓にダメージが及ぶ可能性が低いのだ。
一時は5点式と6点式が混在していた時期もあったが、現在では公式レースで使えるのは6点式シートベルトのみ。股下ベルトを2か所でボディに固定し、そのバックルに左右と上からベルトを差し込んで使うタイプとなっている。
現在日本で行われているJAF公認の自動車レースでは、ヘルメット+HANSの装着と6点式シートベルトの装着が義務付けられている。
ちなみにこのHANSなど警部補後デバイスはヘルメットに専用のアンカーを取り付ける必要がある。現在売られているヘルメットでは、アンカーの位置に既に穴が開けられていて、自分で購入したアンカーをヘルメットに専用工具で装着するだけで対応のヘルメットにすることができる。専用アタッチメントは約1万円ほどで購入できる。