時代は4点から6点へ! 進化するサーキット用シートベルトと安全デバイス~カスタムHOW TO~
サーキット走行に欠かせないフルハーネス。近年、それにまつわるルールが大きく変わってきている。サーキット走行には必須ではないが、あった方が安全性も高いし、圧倒的に運転しやすくなる。 【画像全2枚】
◆サーキットを走るなら真剣に考えて欲しい装備
そんなフルハーネスとセットで使ってもらいたいHANSなどの頸部補護保護デバイスについて解説。フルハーネスとは、レースやサーキット走行などで使われるシートベルトのこと。これまでは4点式が一般的だった。
腰を固定するベルトが左右のフロアなどから生えていて、肩ベルトは後部座席の座面あたりに固定される。その4点から取り付けられているので、4点式シートベルト等と呼ばれていた。
10年ほど前まではレースやタイムアタックラリーなどでもこの4点式が一般的だったが、徐々にその常識が変わってきた。それがHANSなどを代表とする頭部&頸部保護デバイスだ。これはそもそもアメリカのレースであるNASCARなどで頭部外傷がないのに、ドライバーが亡くなる事故からその検証が始まったもの。
頭部に外傷がなくても大きなGなどが加わることで、首に大きなダメージを負い、それが元でドライバーが重大なダメージを負ったことが原因だった。そこでGによる首へのダメージを和らげるために生まれたのがHANSなどの保護デバイスだ。
代表的なものであるHANSの場合、ドライバーの体とシートベルトの間にHANS本体を挟み込み、その本体から伸びたテザーと呼ばれるワイヤーとヘルメットを結ぶ。それによってクラッシュしたとき、首が一定以上に伸びないようにすることが目的だ。
◆ヘルメットだけでは防ぎきれない要素を補うパーツ
事故で頭部に外傷を負わなくてもヘルメットが大きく揺さぶられることで、首が引っ張られて頸椎などに負うダメージを抑えることができる。
HANS誕生前のクラッシュではドライバーが首を痛め、その後、手がしびれるなどの頸椎損傷の症状になることもあった。
そんな頸部保護デバイスも現在ではいくつかのタイプがあり、シンプソン社などでは体にハーネスで取り付けるものもある。そういったものではシートベルトに関係なく、取り付けられるが、HANSと呼ばれるものはシートベルトと体の間に挟み込むことで装着する。