慶大・清原ジュニアは指名あるか 24日運命のドラフト、成長の自負「戦えるレベルには…」
ドラフト後に早慶戦「もう体がボロボロになってもいい」
ドラフト終了後にも、11月9日から伝統の早慶戦を残している清原は「自分の大学野球人生の締めくくりとして、後悔がないように、もう体がボロボロになってもいい、そういう気持ちで戦いたいと思います」とも語った。かつて、2002年の日本シリーズに左足の故障を抱えながら「足なんて壊れてもいい。チームのために体を張りたい」と強行出場した父・和博氏の姿が重なる気がした。この辺りも、長年の野球ファンにはこたえられない魅力だ。 一方の法大・山城はこの日、3-4とリードされた6回から登板。延長10回までの5イニングを4安打無四球無失点に抑えた。チームの逆転サヨナラ勝ちで、大学生活最後のシーズンにして、リーグ戦初勝利を手にした。「初勝利できるとは思っていませんでした。試合の中でチームのためにと思って投げていたら、もらえた勝利。うれしいです」と感慨深げだ。 183センチの長身から投げ下ろす最速154キロのストレートが武器の山城だが、福岡大大濠高時代は主に内野手として活躍し、投手としては同級生の現オリックス・山下舜平大投手の控えだった。大学進学後は投手に専念し、リーグ戦デビューは3年生の秋という遅咲きだったが、ここにきて、ぐんぐん頭角を現してきた。 現役時代に近鉄、オリックスなどで内野手として活躍した法大・大島公一監督は「投手としての経験はまだまだ少ないですが、投げっぷりがよく、伸びしろがあると思います。この身長、腕の長さなど、僕にないものを全て持っている。もともとショートを守っていたので、フィールディングの動きもいい。プロでやっていく上で大事な要素だと思います」と太鼓判を押している。 また、元近鉄投手でNPB通算83勝右腕の高村祐氏が、今年から法大助監督に就任したことも、山城にとって幸運だった。「今まで受けたことのない指導で、ハマったものがいくつもあります。高村さんとの出会いが、自分にとってポイントになっていると思います」とうなずく。 大学リーグに“遅れて”台頭してきた男たちは果たして、ドラフト会議でその名前を呼ばれるだろうか――。
宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki