洋書中心に「かっこいい、かわいい」本販売 那覇市栄町のPhotobooks on the Road
Photobooks on the Road(那覇市安里) 那覇市安里の栄町。栄町社交街の大きな看板のすぐそばに、ガラス張りの外観とポップなカーテンが印象的なたたずまいの「Photobooks on the Road」がある。愛知県出身の山内啓史さんが2022年にオープンした洋書を中心とした書店で、山内さんの思う「かっこいい」と「かわいい」が店内に散りばめられている。 この記事の他の写真・図を見る 山内さんは、書籍のみならずさまざまな雑貨を扱う複合型書店「ヴィレッジヴァンガード」で1998年から10年余り勤めた。その後、アパレル関係の仕事に就いたが、転勤を機に2017年に沖縄に移住した。 自分で何か事業をしたいと考える中で、副業としてネットで古着や古本、雑貨を販売した。そのうち、一番楽しく、無理なく続けられそうと感じたのが洋書だった。2021年、知り合ったカフェのオーナーから店でポップアップストアをやってみないかと誘われて出店。「誰も洋書なんか買わないでしょと思ったら、 意外と好評だった。沖縄で洋書を手に取る機会が少ないだけに、珍しかったのかもしれない」 アイスクリーム店、ハンバーガーショップ、コーヒー店、古着店とさまざまな店舗から出店の誘いがあった。出店先で興味を持ってくれる人が増えたことに手応えを得て、店を開くことを決めた。「服もやっていたが、やっぱり本の方が好きだった。ヴィレッジの頃の、本を売る楽しさもよみがえった」と当時を振り返る。 栄町には、物件との出合いがあって流れ着いた。夜に飲みに来ることはあっても昼間の街のイメージがなかった。昼間の雰囲気がすごく気に入って見た瞬間にこの場所に決めた。 「雑貨屋みたいな本屋さん」 洋書を取り扱うこともあり、敷居が高いとのイメージを持つ人がいるかもしれない。「普通に街の本屋さんという感じで、子どもからおじさんおばさんまで誰でも入ってきてほしい」というのが山内さんの本心だ。立ち寄ってみるきっかけをつくるため、店内で何度か写真などの展示も行っている。 店内は、入って正面に海外や国内の絵本が置かれ、ファッションやアート、写真などの洋書が並ぶ。棚の間を縫って歩くうちに、雑貨やポストカード、壁に貼る販売用のポスター類が目に留まる。特徴的なのは、洋書に手書きのコメントが添えられ、本の表紙に値段を表記していること。山内さんは「雑貨屋みたいな本屋さん」をキャッチフレーズに、雑貨のように本を売りたいという思いもある。 なぜなら、ヴィレッジヴァンガードに客として初めて足を踏み入れた時の衝撃が鮮明に残っているから。「店内にビートルやオープンカーなど本物の車を置き、そのボンネットに本を並べて販売しているのがめちゃくちゃかっこよかった」。学生時代、本が好きで読書が趣味だと話すとまじめ扱いされたという山内さんだが、ヴィレッジの衝撃がきっかけで「本はかっこいいもの」という意識に変わったという。 「単純にかっこいい、かわいいから飾りたい。そういう理由で本を買ってもいい。音楽や映画、ファッションと同じ感覚で楽しめるものとして本が入り口になったらいい」 手に取って遊べる洋書の仕掛け絵本 久茂地ブックスクエアには、洋書の仕掛け絵本を持っていく。紙の本にしかない良さがあり、手を使って遊べ、開くたびにワクワクできる。その他にも、客の反応が良い絵本を多めに出品する予定だ。 書店情報 Photobooks on the Road 店主:山内啓史 住所:那覇市安里388-7 1F 営業時間:正午から午後7時 定休日:水曜、不定休
たまき まさみ