3Mが山形事業所がキッチンスポンジと内外装用装飾フィルムの製造工程を披露
3Mの日本法人であるスリーエム ジャパンは2024年11月18日、同社の製造/研究開発拠点であるスリーエム ジャパン プロダクツの山形事業所(山形県東根市)で製品説明会および工場見学会を開催した。 AC棟[クリックで拡大]
3Mで製造品種および製造量ともに最大級の製造拠点
スリーエム ジャパン プロダクツの山形事業所は、1970年に山形県天童市に山形スリーエムとして設立した。1971年に山形県東根市に東根事業所を設立し、同事業所で反射材製品を生産する第1工場の稼働を開始。1972年には反射材製品や装飾フィルム製品を生産する第2工場の稼働も開始した。 1975年には研磨剤製品を製造する第3工場や電気電子製品を生産する第4工場の稼働を開始。1984年には機能材テープ製品を製造する第5工場の稼働を開始した。1992年にはヘルスケア製品を製造する第6工場の稼働を開始。2000年にはディスプレイ製品を生産する第7工場の稼働を開始した。 2015年には社名をスリーエム ジャパン プロダクツに変更し、東根事業所は同社の山形事業所となる。2016年には会議などを行うAC棟が完成。2017年には同事業所内に特例子会社であるスリーエム フェニックスの山形事業所を新設した。 グローバルにおける3Mの製造/研究開発拠点の中でもスリーエム ジャパン プロダクツの山形事業所は、製造品種および製造量ともに最大級の製造拠点で、一部製品の研究開発機能も有している。 同事業所では現在、反射材、内外装用装飾フィルム、コネクター、電設工事用材料、衣料用断熱材、自動車用吸音断熱材、不織布研磨材、両面粘着テープ、光学フィルム、キッチンスポンジ製品などの研究開発、設計、製造を行っている。
環境にやさしい内外装用装飾フィルム
製品説明会でスリーエム ジャパンとスリーエム ジャパン プロダクツは、内外装用装飾フィルム「ダイノックフィルム」とキッチンスポンジ製品について紹介した。ダイノックフィルムは、エンボス/印刷フィルム層(塩化ビニール系樹脂)、簡易施工タイプ粘着剤、エア抜き溝から成る厚さ2mmフィルムで、耐久性/施工性に優れ、壁面仕上げ材として利用されている。 スリーエム ジャパン プロダクツの印刷やエンボス、表面コーティングの技術により、同フィルムは、リアルな木の質感を実現したり、織物やシルクなどの自然な風合いを再現したり、メタルやカーボンなどのテクスチャーを表現したりさまざまなデザインによる製品シリーズをラインアップしている。 同社 コマーシャルブランディング&トランスポーテーション技術部 スペシャリストの小野雄也氏は、「ダイノックフィルムは、フィルム施工のため養生期間が必要なく、既存の構造物を生かしてデザイン変更が行える。耐久性や耐水性、耐汚染性にも優れるためメンテナンスしやすく、擦り傷にも強い。さまざまな下地に使え、3次元曲面に貼り付けられる」と利点を語る。 2024年にはダイノックフィルムで141種の新デザインを追加。製品説明会ではその中から、注目のシリーズとして14種のデザインから成る「Oxidized Metal」シリーズと7種のデザインで構成される「Eco Series RC」シリーズを紹介した。 Oxidized Metalシリーズは、抑揚のあるテクスチャーと、グロスやマットを掛け合わせた複雑な印刷手法、輝度感があるメタリックフィルムを組み合わせている。これにより、触った時の汚れやメンテナンスの問題から、室内での使用が難しかった錆や酸化金属の表現を実現している。 Eco Series RCシリーズは、環境にやさしいダイノックフィルムで、マットコーティング層、透明フィルム層、着色フィルム層、粘着剤、剥離紙から成る。透明フィルム層にはPETボトル由来のリサイクルPET樹脂を80%使用し、着色フィルム層にはホタテ貝殻由来のバイオベース材料を約20%活用。剥離紙には古紙パルプ配合率約40%の再生紙を利用し、植物由来のバイオベース材料を約10%含むインクで印刷している。