民謡クルセイダーズが鋸南でライブ 陽気なリズムで会場熱狂(千葉県)
現代の日本民謡の伝道師的なバンド「民謡クルセイダーズ」(民クル)のライブが1日、鋸南町の中央公民館で開催された。客席からは「よいよいよいっ」などと掛け声もあがり、彼らの作り出す新しい民謡のスタイルが会場に詰め掛けた多くの観客を熱狂させた。 民クルは、民謡歌手のフレディ塚本さんとギターの田中克海さんを中心に東京・福生(ふっさ)で結成されたバンド。全国各地の民謡をラテンのリズムと融合させ、失われつつある民謡を現代によみがえらせる活動を各地で繰り広げている。 当日は、「佐渡おけさ」(新潟県)でライブスタート。もの悲しげな雰囲気の曲調で会場は一気に民クルならではのエキゾチックな世界観に満たされた。続けて田中さんのブルージーなギター演奏から始まる「大漁唄(うた)い込み」(宮城県)。フレディさんの歌の裏で、「えんやーとっと」と船の櫓(ろ)をこぐ時の掛け声がループする。観客らもそれに呼応するかのように声を掛け合わせながら盛り上がった。 3曲目は「おてもやん」(熊本県)。南国感漂うキャッチーでポップなサウンドに、女性ボーカルが表情豊かに歌を紡いだ。ところどころ響く電子音も曲の雰囲気を際立たせた。中盤から後半にかけてにぎやかなラテン調の曲が続き、会場の熱気も最高潮となった。 アンコール前の曲となったのは彼らのキラーチューン「炭坑節」(福岡県)で、「みんなで一緒に踊りましょう」と来場者らも巻き込み、フロアは盆踊り会場さながらとなった。「出た!出た!月が出た!」と声に出しながらみんなで踊った。 アンコールでは、軽快なリズムが特徴のダンスナンバー「虎女さま」を演奏し大盛況のまま幕を閉じた。 鋸南町保田の50代女性は「町の持っている雰囲気と、バンドのコンセプトが相まってとても良いライブだった。多くの人に町をアピールする機会になったと思う」と感想を話した。 (押本裕也)