「議員に土下座」を何度も目撃…政治の世界で“議員秘書”をしながら考えた、ストレスフルな環境でも「なんとかなる」と思える方法とは?【舟木彩乃さん】
「道端で土下座」も…想像以上のストレスフルな環境
――議員秘書を実際にやられてみてどうでしたか? 舟木:私は結局その事務所ではなく、ご縁があって違う国会議員の事務所で秘書として働くことになっ たのですが、そこでは他の議員秘書が「土下座」させられるシーンを何度も目にしました。しかも議員だけじゃなく、後援会の会長も議員秘書に土下座を命じたりするんです。事務所内の密室ならまだしも、通行人がいる歩道や公共の場でさせられることもありましたね。 ――そういうのってドラマの中だけの光景だと思っていました……。何か失敗をすると「土下座しろ」と言われるんですか? 舟木: そうとも限りません。例えば、秘書が議員に何か報告する時、議員が椅子に座っている場合は、秘書が立ったままだと「秘書が議員を見下ろす」ような形になりますよね。議員の機嫌によってはそれが許せなかったりして、「貴様、上から物を言ったな! 土下座しろ!」となるわけです。 ――そんな些細なことで……。 舟木:正直、何が逆鱗に触れるのかわかりませんでした。議員は感情の起伏が激しい方が多くて、激昂した翌日に全員クビとか、秘書を事務所から締め出すとか、そういうケースも見聞きしました。加えて、秘書同士に連絡先の交換をさせない議員も。秘書たちが徒党を組まない、連携しないようにするわけです。民間ならあり得ないですよね。ここでは何でもありなんだなというのが、率直な感想です。
撮影/小野さやか 取材・文/ヒオカ 構成/金澤英恵
舟木 彩乃