バフェットが次に狙うのは「割安×成長」の大型株だ!三井住友FG、東レ、日本郵船に熱視線…神の降臨で期待大の「全25銘柄」を一挙公開する!
「投資の神様」はどの銘柄に注目するのか?
日本株市場にビッグニュースが飛び込んできた。かの著名投資ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハサウェイが、円建て社債を7本発行し、19億ドル(約2800億円)を調達したのだ。 【一覧】神が降臨…!バフェットで期待大の「全25銘柄」はこちら! それを受けた市場の注目は、もちろん「彼が商社の次に狙うのはどの銘柄か」ということだ。 前編『三菱UFJ・ホンダも安い…!またもや日本株に降臨したバフェットが「次に狙う銘柄」を大胆予想!プロが発見した「神のセオリー」、その全貌を公開する!』で解説してきたように、ウォーレン・バフェット氏は、自他ともに認める「バリュー投資家」である。 バークシャーは、2020年に5大商社株を大量保有して大騒ぎとなったが、現在の5大商社株は、実績のPBR基準で住友商事以外の銘柄は1倍を上回った状態にある。割安な銘柄が数多く放置されている日本株市場で、住友商事を除いてこれらの銘柄にさらなる資金を投じるインセンティブがあるとは考えにくい。 彼らの過去のトラックレコードを基に銘柄を絞り込んでいくことがお宝を発掘する近道になりそうだが、実は本当に重要な点はそこではない。今回のバークシャー・ハサウェイの資金調達において、日本株市場にとって重視すべき点は、彼らが「割安銘柄を買いに動くかもしれない」という期待感そのものにある。 この見方を前提に、今回は「彼が商社の次に狙うのはどの銘柄か」、その一端の解明に挑戦してみよう。
ふたたび脚光を浴びる「割安株」
ということは、彼らが具体的にどの銘柄に資金を投じるかを予測するよりも、その期待感によって日本の低PBR銘柄に再び脚光が当たる可能性が高まっているということだ。 思い返せば、昨年から継続されている東証の資本効率性の改善の施策により、一時的に低PBR銘柄が押し上げられたことがあった。実際に、自社株買いや増配といった株主還元は過去最高水準に達しており、その効果はいくらかあったように感じられる。 しかし、市場全体を見渡すと、依然としてPBRが1倍を割り込んでいる銘柄は多数存在しており、上場企業の資本効率性と株価への意識が大きく改善しているとは言いがたい状況だ。むしろ、8月の相場の急落を経て、PBRが1倍を超えている銘柄の割合はやや減少しつつあるようにも見える。 図:TOPIX構成銘柄のうち、PBRが1倍を超えている企業の割合 日経平均株価が4万円前後にある現在よりも、2万2000円程度であった2017年末の方が、PBRが1倍以上の銘柄の比率は圧倒的に大きかったのだ。 むしろ、この株高の状態で市場の50%、つまり約半数の銘柄がPBR1倍未満の状態にあることの方が異常といっていいのかもしれない。この背景には複数の要因が存在するが、そのうちで大きなものは、コロナ禍以降で数年間続いた好業績による利益剰余金の積み上がりと、それらを用いた成長投資への意欲の乏しさに尽きるだろう。 良いか悪いかの議論は別にして、日本株市場に上場する大型株の多くは、いわゆる成熟企業である。伝統的な製造業などを中心に、安定的に利益を稼ぎ出すことはできるものの、急成長して事業を拡大する局面は過ぎてしまった銘柄がほとんどだ。「それなり」の経営を続けていれば「それなり」に稼ぐことが可能な状態にあるため、あえて大きなリスクを背負って事業投資を活発化させるインセンティブに欠けていると考えられる。 それに加えて、現在は欧米を中心に景気後退への懸念が徐々に高まりつつある。このような環境下で設備を増強させて商品やサービスの提供量を増やしていくことのメリットは薄いため、状況的に稼いだ資金の使途が限定されてしまっていることも大きいだろう。 多少の増配や自社株買いを実施したとしても、急速に積み上がっていく自己資本のトレンドに対しては焼け石に水だ。つまり、東証の資本効率性の改革は、残念ながら実態としてはほとんど機能していなかったことになる。
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