函館ラ・サールの寮生活を拝見!50人の大部屋で育まれる「人間として大事なこと」
「かわいい子には旅をさせよ」とはいうが、中学で子どもを遠方の学校の寮に入れるのはなかなかハードルが高い。しかし、親元を離れての生活は自立心を育み、成長の機会にもなるだろう。北海道にある名門男子校、函館ラ・サールで寮生活を送る生徒たちをリポートした。(文=織江理央)
見違えるほどたくましく!自宅生活にはない経験が得られる
子どもの学校選びに際し、自宅から遠距離にある学校に進学しての寮生活を視野に入れている家庭は一定数あるだろう。「親元を離れて生活することで自立心が育まれます。寮生活を通して、見違えるほどたくましくなった子どもたちを、実際に何人も見てきました」と言うのは、スタジオキャンパス主宰の矢野耕平氏だ。“寮のパワー”についてこう語る。 「普段親にやってもらっていた身の回りのことも自分で行わなければならない。寮の規則はあるにしても、時間の使い方はある程度自分で決めることになります。さらに同じ部屋で暮らす友達との人間関係にも気を使うなど、自宅生活にはない数々の経験が、子どもを成長させるのでしょう」(矢野氏) しかし、中学で親元を離れて暮らすのは、子どもにとっては相当ハードルが高いことだ。寮生活が選択肢に入ったら、親がやっておくべきことがある。 「子どもの性格や日頃の行動、例えば小学校の宿泊行事などの様子を聞いて、寮生活で楽しく過ごせるかシミュレーションしてみてください」 寮生活は人間関係が濃密であるが故に、相性が悪いと学校を辞めることにもなりかねない。現地に足を運び、できれば寮生やその親に話を聞く機会を持つといい。そして、わが子に合うかどうかを判断し、子どもが安心して過ごせると感じた学校を選ぶべきだろう。 入学した後は「子どもは学校に任せた」という感覚を持つのはNG。 「寮生活は決して、子育てのアウトソーシングではありません。定期的に先生たちなどとよく話をして、学校と積極的に関わることが必要です」 週末や長期休暇で子どもが帰宅した際は、意識的に親子の会話を持つようにしたい。普段離れているからこそ、より深く話せるという面もあるだろう。