女子スラックス制服「自由に選択」3年で急増 静岡県内公立高15→85校 防犯・防寒を理由に広がる
急拡大の理由は? 専門家、3つの背景指摘「生徒の意思 尊重を」
◇静岡県内の学校事情に詳しい愛知大の松尾由希子教授(教育学)の話 女子スラックス制服の導入が急増した背景は、(1)周囲の学校が導入した(2)LGBTQ+の認知度向上(3)防犯や防寒の観点から保護者の理解が得やすかったーが考えられる。 制服の見直しで重要なことは、全ての子どもが「自分の着る服を自分で選択できる」という考え方だ。学校は子どもの自立を育てる場所であり、従来の男女別の制服は生徒の意思に関係なく決まっていた点で問題があった。衣服は個人の健康や安全、セクシャリティー、アイデンティティーなどに密接に関わる。県外では制服の選択肢に私服を含めた例もある。先入観がなく、生徒の意思を尊重した制服を一緒に考えていくことが大事だ。
<メモ>文部科学省は2022年12月、12年ぶりに教員用の手引書「生徒指導提要」を改定。生徒の主体性を尊重する校則改革や性的少数者の児童生徒への配慮、性自認に沿った制服や体育着の着用を認めることなどを示した。