リーマンショックで〈全財産1,100万円〉をわずか1ヵ月で失った後、4年で復活を遂げた〈億トレーダー〉が徹底している「守りの資金管理」とは
1回のトレードではなく、ひとつのトレンドで損益をとらえる
FXでは、1回トレードをするたびに勝ち負けで一喜一憂していては、メンタルが持ちません。スキャルピングはトレード回数が莫大になります。数秒間で勝つこともあれば、数秒後に損切りすることは多々あります。人間なら、誰しもすべてのトレードで勝ちたいと思うでしょう。できれば損切りはしたくないですね。勝つと思ってエントリーしているので、その気持ちは当然です。 ただし、トレードで勝ち続けたいなら、損益は長い目で考えなければなりません。たとえ1日や2日負けたとしても、週単位、月単位、年間を通して大きな利益が出ればいいのです。期待値の高いやり方なら、一時的に負けたとしても必ず期待値に収束していくので、トータルでは利益が出ます。それを信じてトレードを続けてください。1日の中で、たった1回のトレードで負けを認めたくない感情を持ってしまうと、損切りが苦痛になり、必ずメンタルが崩れます。10回トレードすれば、そのうちの数回は負けるもの、と考えておきましょう。 損切りが嫌にならない考えを持つために、トレンドごとに損益をとらえるのがおすすめです。1分足で短期トレンドが発生すると、しばらく続きますね。そのトレンドでどれくらいトレードできるかわかりませんが、レンジになるまで同じ波が続いていきます。勝ち負けを繰り返したとしても、そのトレンドで利益が出ていれば、期待値の高いトレードを行なっている証拠です。 たとえば、ニューヨーク時間の22:00にトレンドが発生してエントリーサインが出はじめたとします。25:00までトレンドが継続し、この3時間で20回トレードを行ない、14勝6敗でトータル利益が出たとします。結果的に利益が出ていますが、重要なのは、6敗をこなしたうえで利益のほうが上回っていることです。損切りを受け入れ、淡々とトレードを20回繰り返したから出た利益ですね。途中で1回の負けが受け入れられずナンピンをしていたら、大損をしている可能性もあります。6回ともすべてナンピンしていたら、大損の確率はぐんと上がることは歴然です。 1日でトレンドが3回発生すれば、その3回のトレンドごとに分析するようにしてください。3つの通貨ペアでそれぞれ3回トレンドが発生すれば、9回の舞台があったことになります。9回すべてをトレードできるわけではありませんが、トレンドごとに損益計算をします。もし負けたトレンドがあれば、どうすれば勝てたのか、復習や分析もしやすくなります。 相場の流れは、前の市場を引き継ぐと説明しましたが、これも考慮しています。相場を市場ごとに見るから、トレードも市場ごと、トレンドごとに見るのです。このようにすると、1回の勝ち負けでメンタルを崩すことが激減します。トータルで損益を考えようと思うようになるものです。それが、1ヵ月、半年、1年と続けていく秘訣ではないかと思います。 私もたまには大きめの損を出して落ち込むことがあります。しかし、そのときにトレードをやめようとは思いません。「長年やっていればこんなこともあるだろう」と確率的に考えるようにしています。トータルで考え、今までと同じようにこれからもトレードをすれば期待値に収束していくと信じているからです。そして、実際にそうなっています。この記事を書いている今、本スキャルピング手法をはじめてトータル利益を更新しています。これからも一時的に負けることはあっても、継続していれば最高益を更新していく可能性が高いと信じています。損益は1回のトレードではなく、トレンドごとに考えるようにしましょう。
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