元ジャンポケ斎藤、明日は我が身…「性的同意がムズい」世の中で“勘違い男”にならないためには
「性の商品化だ」「女性蔑視も甚だしい」とフェミニストの皆さんから強烈な抗議が寄せられそうな話だが、中国やアメリカでこのようなものが開発されているのは女性差別だなんだという話ではなく、深刻な「男あまり」という現象の影響が大きい。 ● セックスボットが解決する社会問題 中国は圧倒的に男性が多く、結婚適齢期とされる20歳から45歳までの人口で男性の数が女性の数よりも3000万人も多い。しかも、貧富の差が激しいことに加えて、「結婚するには持ち家がないといけない」という厳しい条件もあるので独身男性が溢れている。 実はこれはアメリカも同じ傾向で、近年、成人の未婚率は38%と1990年と比較して約10%アップしている(Forbes「米国の成人の38%は独身、1990年の29%から大幅に増加」)。 その独身男性の中には、自分たちが女性と関係が持てないのは、女性側に問題があるとして敵意を剥き出しにする人たちがいて、「Incel」(Involuntary celibate 不本意ながら禁欲を強いられている)と呼ばれている。ちなみに、「Incel」思想に取り憑かれた男性はアメリカやイギリスで銃乱射事件などを起こしていて、今年8月にはイギリス政府が「過激主義」として取り扱うと発表、警戒を強めている。
このように「どう努力をしても女性と関係を持てない非モテ男性たち」の逆恨み的なミソジニー(女性嫌悪)を防ぐためにも、セックスボットの必要性が唱えられている。 この流れは同じく「男あまり」「貧しい男が多くて結婚できない」という問題を抱える日本にも遅かれ早かれやってくるだろう。 生物学者の池田清彦氏と医師の和田秀樹氏が、現代日本の男性が「オス」らしく生きていくにはどうすべきかというテーマで対談している「オスの本懐」(新潮新書)の中で、日本のいわゆる「ダッチワイフ」(ラブドール)も今後は中国やアメリカで開発されるセックスボットのような方向へ進化していくと予見している。 池田 それにAIを組み込んだら、ほとんど人間だよね。しかも、ディープラーニングで相手の好みをどんどん学習するから、その人にとってはルックス、内面ともに魅力的で完璧なダッチワイフが出来上がるわけだ。 和田 AIの技術がそこまで進んだら、当たり前のように労働力になります。医療や介護の現場でAIが活躍し、家事もロボットとAIがこなしてくれるわけですから、家族みたいな存在になる。そうなると、今みたいなポリティカル・コレクトネスでがんじがらめになった息苦しい社会も変わるのではないでしょうか。AIロボットが相手なら、オスが輝くとかメスが輝くとか、性別を意識した話もなくなって、どんな本音をぶつけても平気という世の中になるかもしれません。(『オスの本懐』 和田 秀樹、池田 清彦 著 新潮社刊) つまり、昨今、社会問題になっている「ちゃんと同意をとったのか」「仕事上の立場を利用して断れない状況に追い込んだのではないか」」という男女トラブルも、セックスボットの進化でかなり減少していくというのだ。