「シェフチーム」が炊き出し準備、災害関連死を防ぐ支援も 石川・七尾市の現在は…
能登半島地震から17日で17日目です。石川県では232人の方が亡くなりました。今もほぼ全域で断水が続く中、1500人以上が避難生活を余儀なくされている石川県七尾市から中継です。 震度6強を観測した石川県七尾市で、避難所となっている中島小学校に来ています。現在も100人ほどの方が避難生活を続けていますが、家庭科室で行われているのが、夜の炊き出しの準備です。 この避難所では、料理人たちが集まって「シェフチーム」をつくって炊き出しをしていますが、断水が続いているため、給水車の余った水を使って調理しています。17日は、およそ220人分の鍋を作って、避難者の方にふるまうということです。 ――温かいご飯が食べられるというのは、避難者の方にとっても、とても大きなことですね。 避難者の方にお話をうかがったのですが、「栄養バランスも考えてくれていて、ありがたい」と話していました。 長い避難生活が続いていますが、ほかにも支援は広がっています。 体育館では毎日、ラジオ体操が行われているそうです。この避難所を担当する災害福祉支援チームは「エコノミークラス症候群や災害関連死を防ぐため、少しでも体を動かしてほしい」と話していました。 ――避難所の支援が広がっていますが、被災しているみなさんは現在、どのように過ごされているのでしょうか。 日中は仕事に行く方や家の片づけに行く方が増えていて、避難所で過ごす人数は徐々に減っているということです。 一方で、避難生活を送りながらも、避難所を支えようと動いている方もいます。かわいらしい炊き出しのメニューのイラストは、避難している方が毎日描いているものです。 イラストを描いているのは、自宅で被災し、今も中島小学校で避難生活を続けている辻口さんです。もともと、趣味でイラストを描いていたそうですが、炊き出しをしているシェフチームから「メニューを描いてほしい」と依頼されたことがきっかけで、毎日メニューにイラストをつけて描いているそうです。 子どもたちに喜んでもらえればと話す一方で、自分自身も助けられていると話されていました。 辻口まりえさん「子どもたちの声もあって、それがどんどん楽しくなって。気分転換にもなりますよね。これからの生活どうしよう、仕事どうしよう、どうしたらいいか悩んでるところ。気分転換になるので、絵を描いてるときは、その悩みを考えなくていい。ありがたい」 避難生活が2週間を超えていますが、少しでも明るく生活できるよう、避難者同士が支え合って生活しています。