資金増額、妥協点を模索 COP29、18日から閣僚級会合
【バクー時事】アゼルバイジャンで開催中の国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)は18日から2週目の協議に入る。 【ひと目でわかる】アゼルバイジャン 同日から始まる閣僚級会合で、途上国の温暖化対策のため先進国が拠出する資金の増額に向けた交渉を本格化させる。先進国と途上国の間で意見の隔たりは大きく、妥協点を見いだせるかが焦点だ。 COP29では、先進国が途上国に年間1000億ドル(約15兆円)を拠出している資金について、2025年以降の新たな支援目標を決める。温暖化の影響を受ける途上国は大幅な増額を求めている。 温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」に基づき、各国は35年までの温室効果ガス削減目標を25年2月までに提出する必要がある。温暖化による海面上昇の影響を受けやすい「小島しょ国連合」の議長を務めるサモアのシュスター環境天然資源相は15日に記者会見を開き、「新しい削減目標には、資金援助の強化が不可欠だ」と訴えた。 一方、先進国は、民間資金のさらなる活用を主張。中国などを念頭に、温室ガスの排出量が多い途上国側の国も資金を拠出するよう求めるが、中国は、先進国が財政支援を拡大すべきだとの立場を崩していない。 事務レベルの交渉では進展はなく、日本政府関係者は「そう簡単に溝を埋められる話ではない」と語った。