来年の値上げ、3千品目突破 今年を上回るペース 来春にかけて「値上げラッシュ」再燃の見通し
今後の見通し:値上げ主因は「サービス価格」へ 粘着質な値上げ、2025年も続く予想
2025年の値上げは、24年のトレンドを引き継ぎモノ由来の値上げが多数を占める。その一方で、物流費・人件費由来の値上げ割合が判明する1-4月分で24年通年を大幅に上回るなど、値上げの主因はモノからサービスへと広がりつつある。PBなど安価な代替製品への需要シフトや、値上げ後に購入点数が減少するといった動きが定着したことから、24年内は販売価格の積極的な引き上げが手控えられてきたものの、サービス価格の上昇が企業努力で対処可能な範囲を超えつつあることが、25年に再び値上げラッシュが発生する主な要因になったとみられる。 2024年の値上げは1万2520品目となり、過去3年間で最も少ない水準となるなど値上げの勢いは総じて弱まった。他方で、25年は食品フィルムやトレー、段ボールといった包装資材、ドライバーの働き方改革に伴う物流費の上昇、人手不足に伴う賃上げなどにより、人件費も当面は上昇基調での推移が見込まれる。足元のコストプッシュ圧力は継続する可能性が高く、製品価格の引き下げや価格据え置きを維持可能な好材料は24年以上に乏しくなる局面が予想される。 2025年は原材料高以外の要因による粘着質な値上げの継続が見込まれ、品目数は24年を上回って推移する可能性がある。